岩手県沿岸地域の買い物代行による衣料品購入に関する調査研究

書誌事項

タイトル別名
  • Research on Purchase of Clothing by Shopping agent in the Iwate coast area

説明

目的 東日本大震災から4年経ち,被災地は住宅や公共インフラの復旧とともに医療・介護や健康・心のケアなどの生活支援の充実が課題とされている。一方,衣服は身体を保護するほかに心の充足を満たす機能も併せ持つが,被災地では衣料品をどのように調達しているのか。本研究では,被災地の衣生活の質的向上をはかることを目的に衣料品調達の現状を調査した。<br> 方法 岩手県沿岸の野田,宮古,大槌,大船渡,陸前高田で買い物代行に従事するスタッフへの聞き取り調査を行なった。調査時期は2014年5月で,調査内容は,衣料品の種類,頻度,返品や寸法直しの有無,住店舗の所在地と顧客の居住地域や震災後の店舗の復旧状況である。<br> 結果 買い物代行の顧客は,仮設住宅に住む高齢世帯が中心で,その80%が女性であった。買い物代行の全体に占める衣料品の件数は3~7%と,食料品や日用品に比べて頻度は著しく少ないが,衣類はサイズや好みを合わせるために手間や時間がかかり,購入方法に工夫を要する。服種は肌着・ズボン下などの下着類と靴下の依頼が多く,外衣ではズボン,セーターが多かった。買い物代行の件数や購入店までの移動距離は,地域の被災状況や震災前からの地理的条件により状況が異なり,買い物代行者の裁量に委ねられている状況が見られた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680536478464
  • NII論文ID
    130005484253
  • DOI
    10.11428/kasei.67.0_111
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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