ハンバーグの真空調理におけるウェルシュ菌の消長

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タイトル別名
  • The behavior of Clostridium perfringens during vacuum cooking

抄録

[目的]真空調理法は、安定した加熱、作業効率の向上、人件費の削減などが可能であることから、調理現場で導入されている。しかしながら、芽胞を有する嫌気性細菌などにより食品が汚染された場合の詳細な報告は少ない。そこで、ウェルシュ菌を加えたハンバーグを調製し、真空調理した場合の菌の消長を調べ、その安全性について検討した。<br>[方法]ハンバーグに試供菌(Clostridium perfringens)を混合し試料とした(加熱前試料)。真空包装後、60℃30分で一次加熱し、冷却保存した(二次加熱前試料)。その後、80℃12分及び95℃18分で二次加熱し、急速冷却した(二次加熱後試料)。冷却条件は急速冷却(90分以内に3℃以下)、6時間又は21時間室温放置後冷却の3条件で行った。試料にペプトン水を加えて、平板プレート法により大腸菌数、一般生菌数、ウェルシュ菌数を測定した。同時に、試料中央部に温度ロガーを挿入し、加熱から冷却までの温度履歴を測定した。<br>[結果・考察]大腸菌は60℃の一次加熱で死滅した。一般生菌数は一次加熱で5オーダー程度減少し、その後の室温放置により1オーダー増加したが、80℃又は95℃の二次加熱によりほぼ死滅した。ウェルシュ菌も60℃30分の一次加熱によって3オーダー減少した。その後、室温放置に伴い菌数が増加し、21時間放置では108CFU/gに達した。80℃又は95℃の二次加熱により菌数は減少したが、減少率は冷却条件によりばらつきがあり、芽胞形成の有無による影響と考えられた。真空調理において冷却速度が遅い場合、ウェルシュ菌が増殖して、二次加熱によってもその菌数が減少しない場合があることが分かった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680536500224
  • NII論文ID
    130005470085
  • DOI
    10.11428/kasei.64.0_171
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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