地域の特色を生かした染色教材の開発

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タイトル別名
  • Development of dyeing teaching materials to utilize for special feature of the area
  • -アントシア二ン系色素を含む植物について-
  • The plant containing anthocyan system pigment

抄録

目的 家庭科,生活科,理科,総合的な学習の時間など学校現場において,地域の特色を生かした植物染色が教材として活用されている.本研究では,大学構内にある身近な植物を調査して,年間を通して染色できるハルサザンカ,ヤマモモ,ヒメユズリハを染材料として選定したのち,各種繊維の染着性を検討し,至適条件による染色の教材化を試みた. <br>方法 pH処理は,3.8%濃度の塩酸,クエン酸,酢酸を染材料とともに48時間放置した後,ガーゼで濾過した.染色条件は,浴比1:50とし,室温で30分間染色した.色差の測定は,ハンディ色差計(日本電色工業NR-3000)を用いて,L*,a*,b*の測定を行った.染色布と白布の測定値の差からΔE*を算出して9種類の繊維(綿,ビニロン,ナイロン,アセテート,毛,レーヨン,アクリル,絹,ポリエステル)の染着性を検討した.<br>結果 ハルサザンカを用いた染色では,ビニロンと絹がよく染まり,赤系の色相を示した.ヤマモモを用いた染色では,ビニロンが赤系の色相を示し,レーヨンと絹が茶系の色相を示した.ヒメユズリハを用いた染色では,ビニロンが紫系の色相を示し,レーヨンと絹が茶系の色相を示した.pH処理では,3種類の染材料ともに酸が強いほど染まりがよくなった.染色を授業に活用するには,被服材料の特徴を知るための染色実験や,染色布を用いた製作としての小物作りへの活用が考えられる.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680536646400
  • NII論文ID
    130005470578
  • DOI
    10.11428/kasei.66.0_87
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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