ショウガの利用と嗜好

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タイトル別名
  • Survey of usage of ginger and its effect on taste

抄録

<目的>ショウガは古くから親しまれている薬味で,家庭料理にもよく用いられる。本研究では,日本の家庭料理におけるショウガの利用を調査するために調理書の調査,ならびに官能評価,物性測定によりショウガのマスキング効果,軟化効果の検証を行った。 <方法>調理書の調査には,料理大辞典(田村魚菜1952)を用いた。官能評価には,0および0.5%ショウガを加えて煮た鶏ガラスープを用いた(n=192)。また,0,0.5,1,5%のショウガ汁を加えた調味液に漬けたカツオを焙焼し,破断測定(RE2-3305B山電),官能評価(n=10)を行った。 <結果>全料理のうち,25%以上にショウガが使われていた。特に中国料理では半数以上に使用されており,肉や魚の下処理での使用が多かった。和食では,完成した料理に飾りとして使用されることが多く,洋食では他の香辛料・香味野菜と合わせて肉料理などのスパイスの一部として使用されていた。2種の鶏ガラスープのうち,好きな方としてショウガ入りスープを選んだ人は131名,ショウガなしスープを選んだ人は61名であった。ショウガの好みによって,選ぶ理由が違う傾向があった。また,ショウガに臭いのマスキング効果があることが示唆された。ショウガ汁1%添加,5%添加カツオは破断応力,破断歪率が小さくなった。官能評価では,ショウガを添加したカツオは0%添加よりもやわらかく,魚臭がおさえられていると評価された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680536647168
  • NII論文ID
    130005484275
  • DOI
    10.11428/kasei.67.0_159
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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