肩甲下筋腱断裂を含む腱板断裂の治療成績

Description

近年、腱板断裂症例における肩甲下筋腱断裂の頻度が従来の報告よりも多いことがわかってきた。今回我々は肩甲下筋腱断裂を含む腱板断裂症例に対して施行した手術治療の成績をretrospectiveに検討した。 対象は術中に肩甲下筋腱の完全断裂を認めた32肩のうちcuff tear arthropathyの2肩を除く30肩である。平均年齢は60.8歳、平均罹病期間は15.8ヶ月であった。断裂腱の内訳は肩甲下筋単独が2肩、棘上筋腱との合併が14肩、棘上筋・棘下筋腱との合併損傷が14肩であった。手術はsaber cut incisionとdeltopectoral approachを適宜併用しながらMcLaughlin法に準じて腱板を修復した。また、一部の症例に対して上腕二頭筋長頭腱固定術を追加施行した。後療法は術後4週終了後自動運動開始とした。これらの症例に対し、JOAスコアを用いて術前評価および術後成績の評価をおこなった。平均追跡期間は24.6ヶ月であった。また肩甲下筋腱損傷を認めない腱板断裂症例を対照群として比較検討した。 術前JOAスコアは62.3点、疼痛10点、機能12点、可動域22.7点であった。術後のスコアは全体で90.5点に改善した。疼痛は26.4点、機能は18.6点、可動域は25.8点であった。対照群との比較では術後のJOAスコアがわずかに劣っており、術前の罹病期間や損傷範囲の違いが影響したと考えられた。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680536817664
  • NII Article ID
    130006958038
  • DOI
    10.11359/cjaost.105.0.26.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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