タイにおける日本の食文化の受容実態

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タイトル別名
  • Adoption of Japan's food culture in Thailand

抄録

研究目的<br>  タイの古都チェンマイにおいて、観光客向けのファストフードや日本食の店に地元客(タイ人)を見るようになった。1997-2005年発表者が実施した食生活調査では、間食はスナック菓子などを摂取していたが、食事はタイ伝統食が根強く継続されていた。この20年で彼らの食生活はどのように変容したのか、なぜ日本食を食べ始めたのだろうか。本研究では急速に広まる日本食受容の実態を明らかにする。<br>研究方法<br>   タイ王国統計局、ジェトロ等のデータを収集し、タイにおける日本食レストランの総数、提供される料理の内容、出店の時期などを文献研究をした。 2011~2015年2月、ラジャパートチェンマイ大学への学生を対象に、日常の食生活の実態、日本料理の好きな料理、嫌いな料理、イメージ等について質問紙調査およびヒヤリング調査を実施した。<br>結果と考察<br>  タイには、日本食店が1980年代から存在していたが、1990年代後半の急激な経済成長にともない、ヘルシーな日本食が注目されるようになる。1999年にはタイ人の味覚にあわせた店が登場し、現在1,800店舗を超える。さらに、ラーメンや牛丼など幅広い日本食が摂取されるようなった。だた学生の調査結果では、好きな日本料理は「寿司」、嫌いなものは「刺身」と矛盾した回答が大多数であった。彼らの「寿司」は、ローカライズ(生魚を用いない)されたものであり、日本の寿司とは異なることがわかった。<br>   

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680537013248
  • NII論文ID
    130005484359
  • DOI
    10.11428/kasei.67.0_213
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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