パン欠片中のパン酵母Saccharomyces cerevisiae のDNA分析

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タイトル別名
  • DNA analysis of baker's yeast Saccharomyces cerevisiae in cooked bread

抄録

目的 パンは紀元前から食べ続けてきた。伝統的なパンは、焼き、蒸し、揚げるなどで作られるナン、チャパティ、饅頭などがある。近年、ワインや酒に使用されているSaccharomyces cerevisiaeの系統関係を、マイクロサテライト領域を用いて明らかにした研究が行なわれている。本研究では、熱処理されたパン片からのDNA分析の可能性を探求することと、日本の自然発酵パン酵母S. cerevisiae株の系統関係をみることを目的とした。<br><br>方法 ①試料は、S. cerevisiae保存菌株、市販酵母、焼成パン試験過程の市販酵母とそのドウである。さらに、日本各地の天然酵母パン、蒸す・揚げる試料等のパン欠片である。②試料からのDNA抽出はDNeasy Blood & Tissue Kit(QIAGEN)で行った。③マイクロサテライト6領域をPCR後、DNAシークエンサーで遺伝子型を決定し、系統樹は、アリル頻度のデータからCavalli-Sforzaの最尤法により作成した。<br><br>結果 焼く、蒸気及び揚げる等の加熱調理したパン試料全てで、マイクロサテライト領域の遺伝子型を決定でき、処理の有無に関わらず同じ株は同じクラスターに位置した。今までのパン酵母S. cerevisiaeの系統関係の報告は、分離した株、保存機関や研究室等の生菌であったが、加熱調理したパン欠片からの多型解析を示した初めての報告である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680537186432
  • NII論文ID
    130005790942
  • DOI
    10.11428/kasei.69.0_99
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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