烏口突起骨折を伴った肩鎖関節脱臼の治療経験

Description

【目的】比較的頻度が低いと思われる烏口突起骨折を伴った肩鎖関節脱臼に対して、手術を行った3例を経験したので報告する。【対象】2004年7月から2005年2月までに手術を行った3例、手術時平均年齢41歳、全例男性、受傷機転は転落1例、転倒2例。術後経過期間は3ヶ月から10ヶ月であった。【方法】受傷後平均6日で全例全身麻酔下に手術を行った。手術方法は、1例には肩鎖関節を徒手整復して経皮的にKirschner鋼線を用いて肩鎖関節の固定を行い、2例には直視下に肩鎖関節を整復して肩鎖靱帯を修復し、Kirschner鋼線を用いて肩鎖関節の固定を行った。烏口突起骨折に対しては、肩鎖関節を整復後、転位が少なかったため全例内固定を行わなかった。Kirschner鋼線は術後8_から_10週で抜去した。【結果】肩鎖関節を徒手整復し経皮的にKirschner鋼線を刺入した1例は、術後約2.5ヶ月で肩関節の可動域が良好となったが、抜釘後肩鎖関節の亜脱臼がみられ、軽度の疼痛を自覚していた。直視下に肩鎖関節を整復固定した2例は、抜釘後も肩鎖関節の整復は良好であったが、そのうち骨折線が肩甲骨窩に達していた1例は、肩関節の可動域制限があり、経過観察中である。【考察】烏口突起骨折を伴った肩鎖関節脱臼に対しては、烏口突起の整復固定、肩鎖関節の整復固定、両者の併用等の方法があるが、烏口突起を整復固定しない場合は、直視下に肩鎖関節を整復固定するべきであると考えられた。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680537305216
  • NII Article ID
    130006958407
  • DOI
    10.11359/cjaost.105.0.204.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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