心理状態及び自律神経活動が味覚感受性に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of psychological state and autonomic nerve activity on gustatory sensitivity

説明

目的 心理的ストレスにより苦味、酸味及び甘味の感受性が低下するという報告があるが、自律神経活動との関係を述べている報告はない。そこで本研究では、心理的ストレス負荷による味覚感受性の変化を調べるとともに自律神経活動を測定することで、味覚感受性と自律神経活動との関係を見出すことを検討した。<br>方法 心理的ストレス負荷として内田クレペリン精神検査による計算問題を30分間実施させ、その前後で自律神経活動の測定、五味識別テストあるいは味強度テストによる味覚感受性の測定を行った。ストレスマーカーには唾液アミラーゼ活性を用いて心理的ストレス負荷の妥当性を検討した。対照群としてはリラックス群を設け、心理的ストレス負荷の代わりに30分間BGMを流した空間において被験者同士で日常どおりのコミュニケーションをとらせた。<br>結果 五味識別テストでは、ストレス群において5基本味全体でみたときの正答率(以下、五味識別能力)の有意な変化は認められなかったが、リラックス群においては甘味の正答率および五味識別能力の有意な上昇が認められた。味強度テストでは、ストレス群において味強度の感じ方は5基本味とも有意な変化は認められなかったが、リラックス群においては苦味のみ有意に強く感じられるようになった。本実験では心理的ストレス負荷(不快)状態における味覚感受性の変化に関する明らかな知見を得ることはできなかったが、リラックス(快)状態における味覚感受性の変化に関する有意な知見を得ることができた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680537511680
  • NII論文ID
    130005470376
  • DOI
    10.11428/kasei.66.0_156
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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