就寝時用弾性靴下のむくみ回復効果と血液循環系への影響

書誌事項

タイトル別名
  • Influence on Blood Circulation of Compression Socks during Sleeping

説明

目的 日中における弾性靴下着用は、静脈還流量を促進し、むくみ抑制効果があることがわかっている。むくみの原因が静水圧であるとすると、就寝時には着用の必要がないと思われるが、近年、多くの就寝時用弾性靴下が市場に出回っている。本研究では、就寝時用弾性靴下の着用がむくみ回復に及ぼす効果と心拍数・皮膚血流量等の血液循環系に及ぼす影響について明らかにした。<br>方法 試料として、市販の就寝時用弾性靴下1種を用いた。その衣服圧は、下腿最小前後平均16hPa、下腿最大前後平均20hPa、大腿前面10hPaであり、他のメーカーのものと大きな相違は認められなかった。実験は、夏季と冬季のそれぞれにおいて、実験室内とフィールドで行った。実験室内では、心拍数および皮膚血流量等を測定した。また、フィールド実験は、各自が自宅で就寝時に着用し、むくみ回復を計測した。コントロールは、素足とした。 <br> 結果 むくみ回復の指標として下腿最大囲の寸法を就寝前後で測定した。その結果、被験者8名全員で、靴下着用時のむくみ回復効果がコントロール時より大きく、p<0.01で有意であった。皮膚血流量については、夏季ではp<0.05で有意に減少し、締め付けによる血流阻害が認められた。しかし、冬季については、着用直後にみられた靴下着用による皮膚温減少が認められたものの、特に冷え性を自認する被験者で素足時よりも皮膚血流量が大きく上昇した。これは、靴下の保温効果が作用したものと考えられた。心拍数については、靴下着用時にやや上昇することがわかり、このことは、交感神経の有意性を示唆するものと考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680537795584
  • NII論文ID
    130005470162
  • DOI
    10.11428/kasei.64.0_195
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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