Beneficial effects in bread by the vitamin C depend on active oxygen

  • Nishimura Kimio
    Department of Food Science and Nutrition, Faculty of Human Life and Science, Doshisha Women's College of Liberal Arts
  • Kagawa Hitomi
    Department of Food Science and Nutrition, Faculty of Human Life and Science, Doshisha Women's College of Liberal Arts

Bibliographic Information

Other Title
  • ビタミンCによるパン品質改良効果には活性酸素が関与している

Description

目的 ビタミンCすなわちL-アスコルビン酸(AsA)によるかまぼこの品質改良効果は、AsAにより発生するスーパーオキシドアニオンラジカル(O2)が、SH基から水素ラジカルを引き抜くことで生じるチイルラジカル(S・)同士が反応し、タンパク質間にSS架橋が形成することによりもたらされる。パンにおいてはAsAが関与した酵素反応によってSS架橋が増加し、品質改良がもたらされると言われているが、かまぼこの品質改良機構もパンの系で成り立つ可能性がある。そこで、O2によりグルテニン上にS・が発生するか否かを調べ、その可能性を検討した。<BR>方法および結果 小麦粉から常法によりグルテニンを調製し、脱アミド酵素であるプロテイングルタミナーゼ(グルテニン1gに対し12.5mg)を37 ℃で1時間作用させ、高分子のまま20mMリン酸緩衝液 (pH 6.5)に可溶化させた。この可溶化グルテニンにリボフラビンから光照射により発生するO2を作用させたところ、グルテニン上にラジカルの発生を、電子スピン共鳴法にて認めた。SH基をN-エチルマレイミドで化学修飾した可溶化グルテニンではこのラジカルのシグナル強度が約52%に減少した。このことは,得られたシグナル中にS・が含まれていることを示していた。また、このシグナルはO2消去作用を持つスーパーオキシドジスムターゼ(2,500 units/ml)の存在により別の波形に変化した。以上の結果は、O2により可溶化グルテニン上にS・が発生することを示唆している。これらのことから、パンでも活性酸素が関与する系で品質改良が生じる可能性が示された。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538038016
  • NII Article ID
    130006958728
  • DOI
    10.11428/kasei.63.0.216.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top