「きもの」文化の海外発信をめざした中国での浴衣着装ワークショップ

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Try-on-Yukata workshop in China for the transmission of Kimono culture to foreign countries

抄録

(目的)日本の伝統文化の一つである「きもの」文化を海外へ発信するための教育プログラムを開発することを目指して2010年9月に日本領事館共催で日本文化サロン(上海)にて、中国人、在中日本人の若者約40人を対象に浴衣の着装ワークショップを開催した。<BR> (研究方法)冒頭、きものに造詣の深いメンバーの一人が現地の通訳を交えて、きものの歴史と文化に関する講演を行った。中国語版のDVD上映で浴衣の着方を学びつつ、プロジェクトメンバーとTAの学生が着つけを手伝いながら浴衣を実際に着装した。浴衣着装のワークショップに先立ち、(1)日本の現代・伝統文化に関するアンケート、ワークショップ後に(2)今回開発した中国語版浴衣の着装・たたみ方ビデオの評価、着装後には、(3)きものの着装感アンケートを実施した。<BR> (結果)日本の現代文化の認知度では漫画・アニメ、小説、音楽、ゲームなどが上位に入り、注目されていた。情報の入手元は、テレビとインターネットが主であった。伝統文化の認知度では、柔道、茶道に次いで華道と同率できものが高順位となった。情報の入手元は、テレビ、インターネット、本が上位で、学校はあまり貢献していなかった。浴衣の着装感アンケートの分析では、着つけ、帯結び、たたみ方とも、興味は高く、ある程度理解した人が多かったが、習熟度は、十分でないと感じていた。着付け習得意欲が高い人は浴衣への興味、理解、習得度も高かった。着装感の因子分析では、第1因子:高揚感と第2因子:拘束感、第3因子:フォーマル感の3因子が抽出され、拘束感よりも高揚感が勝っていた。以上のように、中国人にとっても浴衣の着装は気分を高揚させ興味・関心を喚起し、日本の伝統文化の海外発信に一定の効果があることが推察された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538067712
  • NII論文ID
    130006958757
  • DOI
    10.11428/kasei.63.0.226.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ