牛肉ハンバーグの加熱調理・保存におけるレモンの脂質酸化抑制効果

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タイトル別名
  • Effect of suppressing lipid oxidation of lemon on beef hamburger during thermal cooking and storage

抄録

目的:牛肉は加熱調理や冷凍保存などにより脂質酸化が起こる。脂質酸化は食品の風味、品質劣化に影響する。レモンはキレート作用、抗酸化性などの様々な機能性が報告されている。本研究ではレモンの抗酸化性に着目し、牛肉ハンバーグの加熱調理における脂質酸化抑制効果について調べた。さらに冷蔵・冷凍保存時の経時的な脂質酸化抑制効果について検討した。<BR>方法:牛挽肉に調味液を15%添加し、成型後、焙焼したものをハンバーグ試料とした。調味液にはレモン果汁(100mMクエン酸当量)、100mMクエン酸、水を使用した。1)加熱調理における効果:加熱調理後の脂質酸化の指標としてTBA法を行った。抗酸化性の指標としてDPPH法を行った。2)保存における効果:冷蔵で1週間、冷凍で1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月保存した牛肉ハンバーグについて、脂質酸化をTBA法、肉の酸化臭とされるヘキサナールをGC-MSにて測定した。<BR>結果及び考察:1)TBA法よりレモン群、クエン酸群はコントロール群より有意に脂質酸化を抑制した。DPPH法よりレモン群、クエン酸群はコントロール群より有意にラジカル消去率が高かった。2)1週間の冷蔵保存において、レモン群、クエン酸群はコントロール群に比べTBA価の上昇を抑制した。冷凍保存において、レモン群、クエン酸群はコントロール群に比べTBA価の上昇を抑制した。冷凍保存3ヵ月後のレモン群、クエン酸群はコントロール群よりヘキサナールの生成を抑制した。以上の結果より、牛肉ハンバーグの加熱調理及び冷蔵・冷凍保存において、レモンを添加することで含まれるクエン酸によるミネラルのキレート作用により脂質酸化が抑制され、食品の保存性を向上できることが期待される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538089984
  • NII論文ID
    130006958766
  • DOI
    10.11428/kasei.63.0.202.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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