19世紀中頃の英国のデザイン(4)

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • British design in the mid-nineteenth century (4)
  • -“Journal of Design and Manufactures”のテキスタイル-
  • -Textile in the "Journal of Design and Manufactures"-

抄録

[目的]19世紀中頃の英国は近代デザイン史において重要な位置を占める。“Journal of Design and Manufactures"(以下『デザイン・ジャーナル誌』) は1849~52年にかけてロンドンで発行されていたデザイン誌で、既存の文献では史上初ともいわれ、英国においても稀覯書とされている。同誌には、デザイン関連の論文やレポートのほか、当時の新製品の図版が編集者による解説文とともに掲載されている。特に、テキスタイルと壁紙は実物の見本が誌面に貼付されており、ほぼ当時の状態を保ち現存している。『デザイン・ジャーナル誌』を精査することにより近代デザイン史の一端が明らかになると考えられる。 本研究では前報までに『デザイン・ジャーナル誌』の概要、掲載されている製品の傾向等について報告した。前報ではテキスタイル見本の素材について、特に綿素材のプリント布を中心に調査した。本報では、獣毛素材の資料を中心に調査した結果を報告する。[方法]『デザイン・ジャーナル誌』で用いられた素材名に基づき、テキスタイル見本を分類し全体の傾向を把握する。次に織物表面の観察を行い、織組織等の構造を調査するとともに、織糸が採取できる試料については、光学顕微鏡を用いて織糸の観察および繊維材料の判定を行う。[結果]『デザイン・ジャーナル誌』全1~6巻に貼付されているテキスタイル実物見本186点について素材の集計を行った結果、30種余が確認できた。そのうち、目視による推定で獣毛素材で構成されているとみられる試料布は41点(11種)であった。それらについて織物表面を観察した結果、Mousseline de laine、Flannel、Cashmere等、プリントによる染色が施されているものが20点あった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538224512
  • NII論文ID
    130005440317
  • DOI
    10.11428/kasei.55.0_189_2
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ