キルギス共和国の水調査
書誌事項
- タイトル別名
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- A survey on water for living in Kyrgyz Republic
説明
目的 本研究は、乾燥地域における水環境の現状を把握するとともに持続可能な水資源保護を検討することを目的とする。キルギス共和国は天山山脈の西側斜面に横たわる山国であり、国土の大半が高原や山地である。暖房や給油等のため冬期に集中する電力需要は水力発電に頼っているが、冬期発電放流による下流国での洪水発生と夏期の渇水発生などの被害が顕在化するようになっている。この国の生活用水について報告する。<BR> 調査方法 キルギス共和国のオシュ(南部)からビシケク(北部)までの都市や集落の水道水および湧水を採取し、pH、電気伝導度(EC)等はイオン電極を用い、硬度等は上水道試験方法に従い比色定量により求めた。<BR> 結果 山岳地帯では沢山の湧水があり、山間の集落における地下水の水量も豊富である。標高3000m以上の峠の湧水はEC、硬度ともに低く、比較的低地の井戸水はイオン含有量の多い硬水であった。一部の井戸水からはPO4-3やNH4+が検出されており、これは水の味を悪くするだけでなく、濃度が高くなると健康被害も懸念されるため、継続した調査が必要であろう。水道水については、ECは27.5~55.6ms/m、硬度は160~285mg/Lと低く、各イオンの含有も少ない。他の中央アジア諸国と同様に、キルギスの上下水道施設のほとんどは十分なメンテナンスがなされないまま老朽化が著しく、上水道の多くは水質基準を満たしていないことに加えて、配水パイプや蛇口からの漏水も目立つ。浄水施設の充実も急務であるが、配水設備の補修とともに住民の節水意識の向上を図る必要があるだろう。地域住民の公衆衛生の向上のためにも、下水処理施設の充実・改修や運営・管理などに早急な国際援助が望まれる。
収録刊行物
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- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
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一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 62 (0), 291-291, 2010
一般社団法人 日本家政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680538605440
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- NII論文ID
- 130006958925
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可