電子スピン共鳴 (Electron Spin Resonanse spectroscopy; ESR) による緑茶中のラジカル種の検出

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タイトル別名
  • Detection of radicals in green teas using Electron Spin Resonanse sprectroscopy

抄録

目的:日本茶は代表的な嗜好飲料であり広く利用されている嗜好飲料である。製造方法により紅茶と緑茶とがあるが、日本茶は緑茶が主である。緑茶には玉露、煎茶、ほうじ茶などがある。茶の種類により発現するラジカルが異なることが既に報告されている。本研究ではラジカルの迅速な検出が可能なESR法を応用して緑茶中のラジカル種の検出を行った。さらにESR信号より遷移金属イオンを検出した。方法:試料の緑茶は市販の茶葉(新茶、ほうじ茶、番茶、抹茶)を用いた。購入後直ちに冷蔵保存し実験に供した。試料は300mgを秤取後、ESR試料管(99.9 %石英ガラス、英光社製)に封入した。全てのESR測定は、ESR分光器(JES-FE1XG, 日本電子KK)を用いて行った。測定に用いたマイクロ波の周波数は、Xバンド(9.3 GHz)である。共鳴磁場は、250と320mTとし掃引磁場は500と100mTを用いた。胡椒中の飽和挙動を検討するためにマイクロ波磁場を変化させ遂次飽和曲線を求めた。ESR測定の検出温度は、すべて室温(20 ℃)である。各種緑茶試料のESR信号は常圧下でも減圧下においてもスペクトルの挙動に有意の差異は認められなかった。本研究におけるESR測定は常圧下で行った。結果:緑茶のESR信号は3種あり、それぞれMn2+による超微細構造線、有機フリーラジカル由来の信号、Fe3+による遷移金属イオンと同定した。各ESR信号は緑茶の種類が違っても本質的に同一であったが、有機フリーラジカルの信号に差異が認められた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538624896
  • NII論文ID
    130005440410
  • DOI
    10.11428/kasei.55.0_71_2
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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