ダッタンソバ粉添加クッキーの物性とラジカル捕捉活性

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タイトル別名
  • Physical properties and radical scavenging activity of tartary buckwheat flour added to cookie

抄録

【目的】ダッタンソバ粉は普通ソバ粉に比較して抗酸化性機能性成分であるルチンが多く含まれることから、健康食品や新しい生理機能食品として注目されている。しかし、ダッタンソバ粉の調理における利用は少ない。本研究では、ダッタンソバ粉の調理における有効利用法を明らかにすることを目的として、ダッタンソバ粉の添加量を変えたクッキーを調製し、物性、嗜好性およびラジカル捕捉活性の観点から、クッキーにおけるダッタンソバ粉の利用適性を検討した。<BR> 【方法】小麦粉にダッタンソバ粉(日穀製粉(株)製)をそれぞれ0、10、30、50および70wt%添加し全量を100gとした粉に、定量のバター、砂糖、卵を加え成形後、170℃で14分間焼成したクッキーを試料とした。物性評価として破断強度測定を行うとともに、菜種法を用いて体積を測定した。外観評価では明度(L*)と色度(a*,b*)を測定し、官能評価とあわせて品質を総合的に評価した。抗酸化性は、凍結乾燥後粉砕した各試料のエタノール抽出液10mg/mLを原液として化学発光法によりペルオキシラジカル捕捉活性を測定し、発生したラジカルの半分量を捕捉する試料濃度のIC50値で比較した。<BR> 【結果】クッキーにダッタンソバ粉を添加すると膨化が抑制され、破断特性では30wt%以上の添加により破断歪率および破断エネルギー値が増した。ダッタンソバ粉添加量が増すとL*値は低下、a*値は上昇し、暗く赤味が増した。ダッタンソバ粉添加量が増加するほど色の嗜好性は低下するものの、IC50値は低下し抗酸化性の向上が認められた。官能検査では、味、香り、口当たりおよび総合評価において、ダッタンソバ粉50wt%添加試料が有意に好まれた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538656768
  • NII論文ID
    130006958963
  • DOI
    10.11428/kasei.62.0.62.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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