夏期における高齢者の日常生活習慣と暑熱対策

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  • Generation differences in thermal environments and daily living habits in summer
  • 水分摂取量の実態について

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抄録

[目的] 高齢者の熱中症予防に向けた対策を検討するため。夏期の日常生活環境下における温熱環境実測、生活習慣や暑熱対策、熱中症に関する意識調査を実施してきた。本報では、暑熱対策として重要な要素である水分摂取量の実態調査結果を報告する。<br>[方法] 被験者は65歳以上の高齢男女30名(男性14名、女性16名)、男子大学生20名とした。一日に摂取した水分の種類と量、食事内容をできる限り詳細に記入してもらうよう依頼し、大学生の食事についてはスマートホンを用いた写真撮影による記録も併用した。人体周囲の温熱環境(小型温湿度データロガーを携帯し、2分間隔で温湿度を自動計測)、居場所、生活行動、エアコンや扇風機の使用状況、着衣状況、温冷感などの主観申告(申告用紙に記入)は、高齢者30名と大学生9名の協力を得た。調査時期は2014年8月(高齢者)、2015年8月(若齢者)である。本研究は畿央大学研究倫理委員会の承認を得て実施した。<br>[結果] 高齢者の水分摂取量の平均は、男性が約1.5L、女性が約1.3Lであったが、アルコールを除くと男女とも約1.2Lとなり、差はなかった。食事は女性の方がバランスよく多品目を摂取する傾向があり、食事からの摂取水分量を算出した結果、男性より約200ml多かった。さらに、水分摂取に対する意識や温熱環境と実際の摂取量の関係を分析し、年代等による違いを比較検討した。<br>本研究は文部科学省科学研究費補助金(基盤研究(C)課題番号24500934および15K00769)の助成を受けた。

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