米の研ぎ回数による研ぎ汁の汚濁負荷量と食味調査の検討

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  • The number of rice washing affects the water pollution and the taste.

抄録

<br>目的  平成26 年度全国下水道普及率は77.6%に対し、欧米諸国では80~90%であり日本は低い傾向にある。水質汚濁原因は約7割が生活排水で、その45%が調理操作によるものである。米の研ぎ汁は窒素、リンなどの有機成分が含まれ、年間7,000tのリンが放出され汚染源となっている。米の研ぎ回数の工夫により、研ぎ汁の汚濁負荷量と食味調査を行い、水環境及び食味も適した炊飯方法を検討することを目的とした。<br>方法 愛知県産こしひかりを900gに調整し、白杉ら1)の方法で、水1,800ml(米の2倍重量)を加え、指先をボールの底に付けるように毎秒1回で10回混ぜ、ザルに移し水を切る操作を1回とする洗米を行った。その操作を1、2、3回行い、出た研ぎ汁を試料とした。研ぎ汁の分析内容は、COD、BOD、全窒素、全リンの測定を行った。食味調査は、見た目、香り、総合評価などの6項目で評価法による7段階で判定した。<br>結果 各汚濁負荷量では、研ぎ回数1回に比べ3回で有意に高くなり、研ぎ回数2回と3回では有意差は認められなかった。食味調査では、見た目、香りなどで研ぎ回数1回に比べ3回で有意に高くなり、総合評価で研ぎ回数2回で高い点数となり、3回との差は認められなかった。環境負荷の影響をおさえ、食味調査の評価の良い調理の工夫として、研ぎ回数2回でも概ね妥当であることが考察された。<br>[文献]1)白杉直子ら:調理及び食器洗浄方法の工夫による台所排水の環境負荷低減効果.日調科誌,36(2)130-138.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538724480
  • NII論文ID
    130005256095
  • DOI
    10.11428/kasei.68.0_168
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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