大腸菌を宿主とした組換えγ‐グルタミルヒドロラーゼの発現系の構築

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タイトル別名
  • Expressdion and purification of gamma-glutamyl hydrolase in E. coli.

抄録

【目的】食品中の葉酸の大部分は、複数のグルタミン酸が結合したポリγ‐グルタミン酸型として存在しているが、小腸にあるγ‐グルタミルヒドロラーゼ(EC 3.4.19.9)によって、モノグルタミン酸型に加水分解された後に、体内に吸収されると考えられている。γ‐グルタミルヒドロラーゼは、葉酸の消化吸収,細胞内への取り込みにおいて重要な働きをしているが、局在や作用機構について不明な点も多い。そこで、γ‐グルタミルヒドロラーゼの役割を明らかにするために、組換えγ‐グルタミルヒドロラーゼを得ることを目的として、大腸菌を宿主とした大量発現系の構築と精製を行った。さらに、精製した組換えタンパク質を用いて抗体の作製を行い、臓器における局在を検討した。<BR> 【方法】ラットの腎臓よりγ‐グルタミルヒドロラーゼ(シグナルペプチドを除く)をクローニングした。この断片を発現ベクターpCold_II_に組み込み、大腸菌BL21star(DE3)に形質転換して、γ‐グルタミルヒドロラーゼを発現させた。菌体の可溶性画分を用いて、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーにより、組換えタンパク質を精製した。得られたタンパク質をウサギに免疫し、ポリクローナル抗体を作製して、ラットの臓器での局在を検討した。<BR> 【結果】大腸菌を用いたγ‐グルタミルヒドロラーゼの発現系を構築した。N末端アミノ酸配列の解析から、精製したタンパク質が組換えγ‐グルタミルヒドロラーゼであることを確認した。さらに、精製組換えタンパク質を抗原にして作製した抗体を用いて、ウエスタンブロット解析を行ったところ、ラット腎臓、脾臓,小腸においてγ‐グルタミルヒドロラーゼの発現が確認された。さらに、小腸切片の免疫組織染色から、十二指腸と空腸の吸収上皮細胞での局在が明らかとなった。<BR>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680538808448
  • NII論文ID
    130006959096
  • DOI
    10.11428/kasei.62.0.258.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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