身体障害者デイサービス事業の展開

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タイトル別名
  • 障害福祉サービスと理学療法士の役割

抄録

【はじめに】茨木市では平成8年4月に障害福祉センターを開設し在宅障害者を対象としたデイサービス事業(B型)を展開してきた。この約10年の経過で、大きな流れとして平成12年の介護保険法施行、また平成15年には障害福祉行政が「措置」から「支援費」へと変わり、さらには平成18年には「障害者自立支援法」へと移行する。本報告は約10年間のデイサービス事業を通じて、対象者の利用状況やアンケート調査を検証し、障害福祉サービスと理学療法士の役割について、考察を加えて報告する。<BR>【アンケート調査および内容】対象はデイサービス利用者で内容は各事業での要望や満足度、自由意見などを調査できる項目にしている。実施形態は自記式で実施している。<BR>アンケート内容は、創作的活動、屋外活動、支援費制度、障害者自立支援法などについて実施した。特に平成15年2月に行った支援費制度移行へのアンケート結果については、有効回答者の約64%が「(制度そのものが)分からない」と言う回答であった。<BR>【対象者の利用状況】1日平均利用者数は、平成8年度30人、平成11年度41人、平成14年度38人、16年度33人であった。年齢別には、平成14年8月の調査(登録者700人)で、39歳以下27%、40歳以上64歳以下33%、65歳以上40%の構成であった。また介護保険制度該当者が54%、精神障害者保健福祉該当者が6%、その他3%であった。<BR>【考察】平成15年4月に障害福祉に支援費制度が導入された。それまでの行政が措置で障害当事者へのサービス提供を決定していた方式を、行政が決定するのは福祉サービスの支援費支給決定までであり、どの事業所のどのようなサービスを選ぶのかは、当事者が自己決定し選択する仕組みに改めた。これは、介護保険制度の創設と並ぶ、戦後社会福祉制度の大きな改革の一つであった。<BR> この支援費制度導入によるデイサービス支援費での利用契約者数の激増はなく、平成15年4月~7月の利用者実数は94人で、前年同期間は206人であった。この利用者実数の減少理由としては、介護保険デイービス利用増、保健医療サービスへの利用変更などが挙げられる。また、支援費制度の分かりにくさ、手続きの多さなどがあると考える。<BR>そのため、制度移行後の実施方法や効果などについては様々な意見があり、事業内容は試行錯誤の段階にあると考えている。<BR>【今後の課題とまとめ】障害者自立支援法に移行していく中で、効果的なデイサービスを実践していくには、理学療法士として障害状況の特異性を考慮した正確なニーズの把握が必要である。それらのニーズを反映させたデイサービスを展開していかなければならない。<BR>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2005 (0), E1130-E1130, 2006

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680539174016
  • NII論文ID
    130004579661
  • DOI
    10.14900/cjpt.2005.0.e1130.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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