Quadriceps Settingにおける足関節肢位が大腿四頭筋の筋活動量に与える影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Open Kinetic ChainとClosed Kinetic Chainの比較
説明
【目的】<BR>大腿四頭筋の筋力増強トレーニングの一つとして、Quadriceps Setting(以下QS)は広く行われている。特に臥位で行う際には、足関節背屈位で行うことで大腿四頭筋の筋活動量が増加することが報告されている。また、立位で行うQSの報告もあるが、Open Kinetic Chain(OKC)とClosed Kinetic Chain(CKC)における足関節の肢位の違いが大腿四頭筋の筋活動に与える影響を検討した報告は少ない。本報告の目的は、背臥位と立位でQSを実施し、足関節を中間位保持、背屈運動または底屈運動を同時に施行した際の大腿四頭筋の筋活動量を筋電図学的に検討することである。<BR>【方法】<BR>対象は下肢に整形外科的既往のない健常成人11名(男性7名、女性4名:平均年齢24.8±5.2歳)とした。方法は、6つの課題と膝関節伸展最大収縮運動(MVC)を実施した時の大腿直筋(RF)、内側広筋斜頭(VMO)、外側広筋(VL)の筋電図を記録した。MVCは椅座位にて行ない、この時の筋活動を100%として各課題時の筋活動を正規化(%MVC)した。課題1は背臥位足関節中間位でのQS、課題2は背臥位で足関節最大背屈を行いながらのQS、課題3は背臥位で足関節最大底屈を行いながらのQS、課題4は立位QS、課題5は立位で足関節最大背屈を行いながらのQS、課題6は立位で足関節最大底屈を行いながらのQSを実施した。また、VLに対するVMOの値(VMOの%MVC/VLの%MVC)であるVMO/VL比を算出し、各課題で比較検討した。なお、統計学的処理には多重比較検定を用いて、有意水準は5%未満とした。<BR>【結果】<BR>各筋の%MVCは、背臥位と立位ともに足関節背屈運動を同時に行うと最も高くなる傾向があった。また、RFとVMOでは、足関節の運動が同じ場合には背臥位よりも立位のほうがより高い値となる傾向があったが、VLではこの傾向はなかった。VMO/VLの平均値は、課題1、2、3が0.71、0.72、0.76で、課題4、5、6が0.86、0.89、0.83であり、背臥位に比べ立位QSの場合にVMO/VL比の値が高くなる傾向があったが、いずれの結果も有意差はなかった。<BR>【考察】<BR>先行研究では、背臥位でのQSと同時に足関節背屈運動を加えることにより大腿四頭筋の筋活動を高める効果が報告されているが、今回の研究では同様の傾向を認めたが、有意差はなかった。しかし、背屈運動を同時に行うことによって大腿四頭筋の筋活動が高くなる傾向は立位でも同じであり、さらには立位のほうがVMO/VL比がやや高値を示す傾向があった。今後、症例数を増やして検討する必要があるが、立位で足関節背屈運動を同時に行う方法の有効性を示唆した結果が得られたのではないかと考えられた。<BR>【まとめ】
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2003 (0), C0302-C0302, 2004
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680539337856
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- NII論文ID
- 130004578136
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可