ラット膝関節運動負荷試験装置の試作
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抄録
【目的】<BR> 我々は,第40回日本理学療法学術大会において,ラット膝関節の自由な固定および固定の解除が可能な創外固定法を紹介した。今回は,そのラット膝関節創外固定モデルに対応した関節運動負荷試験装置を製作したので報告する。<BR>【方法】<BR> 我々は,本装置に対して次の条件を満たすように試作した。第一に,膝関節屈曲伸展運動において,目標軌道の高精度な追従制御が行え,再現性があること。第二に,目標トルク抵抗を感知した時点で関節運動を停止し,反対方向への関節運動を開始することである。これらの条件を満たすため,本装置における他動的関節運動の制御は,微妙な運動制御と詳細な運動データを把握できるであろう,マイクロコンピュータによって行うものとした。本装置は本体部,駆動部,制御部の3部分から構成されている。まず,本体部は軽量化,および腐食性に対応するためにアルミ部材で製作している。また,この本体は,台座部,体幹固定部,下腿取り付け用プレート部の3部分により構成されている。次に,駆動部は,下腿取り付けプレート部と連結したアルミ製のプーリ(ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社製),タイミングベルト(ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社製),直流モータ(タミヤ製),ロータリーエンコーダ(岩通アイセック製EC202A100A)により構成されている。さらに制御部は,マイクロコンピュータ(秋月電子製AKI-H8/3052F)を用いている。ラットは右側臥位とし,体幹部の固定は骨盤後部と股関節上部の支持,大腿骨を貫通するキルシュナー鋼線を固定することにした。下腿部の固定は,下腿を貫通するキルシュナー鋼線と足関節部を下腿取り付けプレート部に固定することにした。今回のラット膝関節屈曲伸展運動では,先行研究を参考にして,ラットの膝関節にかかる負荷抵抗値が0.049Nmに達した時点で反転するような制御設定とした。これによりラット膝関節の屈曲,伸展運動を連続的に試行するものである。<BR>【結果】<BR> 麻酔下で本装置にラットを固定し,ラット膝関節部に屈曲伸展関節運動を連続的に負荷した。ラットの体幹および下腿の固定性は,本装置で十分に満足できるものであった。ゆえにラットの膝関節にかかる抵抗値が0.049Nmに達すると関節運動方向は反転し,スムーズな屈曲伸展運動を繰り返すことができた。<BR>【考察】<BR> 今回製作したラット膝関節運動負荷試験装置は,その屈曲伸展運動をマイクロコンピュータで制御したことにより様々な制御が可能であり,さらに,タイミングベルトを用いたことにより,その関節運動の制御が正確に安定して実行された。また,膝関節創外固定モデルとの適合性も良好であった。本装置を使うことで様々な関節運動負荷条件のもとで,すべてのラットに同条件の関節運動を負荷することができるものと考察される。<BR>
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2005 (0), C0435-C0435, 2006
公益社団法人 日本理学療法士協会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680539723008
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- NII論文ID
- 110004994796
- 130004579364
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- NII書誌ID
- AN10146032
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可