ハンドヘルドダイナモメーターによる臨床的に有用な膝伸展筋力測定方法の検討
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- 徳久 謙太郎
- 西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 鶴田 佳世
- 西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 宇都 いづみ
- 西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 高取 克彦
- 西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 梛野 浩司
- 西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 生野 公貴
- 西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 岡田 洋平
- 西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 奥田 紗代子
- 西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 竹田 陽子
- 西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 松田 充代
- 西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 松尾 篤
- 畿央大学健康科学部理学療法学科
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- 冷水 誠
- 畿央大学健康科学部理学療法学科
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- 庄本 康治
- 畿央大学健康科学部理学療法学科
書誌事項
- タイトル別名
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- H固定法による男女検者間再現性・同時的妥当性・簡便性
説明
【はじめに】ハンドヘルドダイナモメーター(以下HHD)は簡易かつ携帯性に優れた等尺性筋力測定器であり、先行研究によるとその再現性・妥当性は良好であるとの報告が多い。しかし従来の徒手による膝伸展筋力測定方法では、女性検者のHHD固定力に限界があり、筋力が強い場合には正確に測定できないことや、被検者の体幹筋力が弱い場合には、転倒防止のため2人のセラピストが必要になることなど、臨床的有用性にはまだ問題がある。そこで今回、HHD固定力を強化し、臨床において安全かつ簡易に測定できることを重視した測定方法である「H固定法」を考案し、その男女検者間再現性や、測定にベルトを使用した場合との同時妥当性、及び測定時間の比較により簡便性を検討した。<BR>【対象及び方法】対象は、当院通所リハビリテーション利用者の内、中枢神経疾患の既往のない者25名(男7名、女18名)である。検者は、HHD使用経験のある理学療法士男女2名で、HHDはアニマ社製μTas MF-01を使用した。測定は当院で考案したH固定法にて行った。H固定法は、被検者の肢位を車椅子座位にて下腿下垂位とし、検者のHHDを装着した上腕を同側下肢にて補強することにより、HHDの強力な固定を可能にしている。測定は、各被検者に対し男性検者・女性検者・ベルト使用にて1回ずつ、測定順序はランダムに実施した。測定結果は測定終了時まで、被検者および検者に知らせないことにより測定バイアスを排除した。測定時間は、オリエンテーションの開始から測定終了時までの所要時間を記録者が測定し、同じく検者には測定していることを知らせなかった。統計学的解析は、男女検者間の再現性を級内相関係数(以下ICC)にて、H固定法とベルトによる測定との同時妥当性をピアソンの積率相関係数にて検討した。<BR>【結果】男性検者と女性検者間のICCは0.96であった。ベルト使用時と男性検者、女性検者とのピアソンの積率相関係数は、それぞれ0.94、0.92であった。女性検者のH固定法による測定時間は平均2分26秒、ベルト使用時は平均4分9秒であった。<BR>【考察】山崎らは女性が徒手にてHHDを固定できる最大重量は平均19kgであったと報告している。本研究においては、筋力が19kgを超える被検者が7人いるにもかかわらず、1回の測定でICCが0.96という良好な検者間再現性が得られた。これはH固定法によるHHD固定力が、従来の測定方法よりも優れていることが一因であると考える。また、先行研究において妥当性が確認されているベルト使用による測定と高い相関がみられたことから、H固定法による測定は妥当性を有しているといえる。H固定法を使用した場合の測定時間は平均2分26秒であり、実際の臨床場面においても簡便に測定が可能である。H固定法による等尺性膝伸展筋力測定は、再現性・妥当性・簡便性のある臨床的に有用な測定方法である。
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2005 (0), A0798-A0798, 2006
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680539738880
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- NII論文ID
- 130004578876
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可