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切迫早産妊婦に対する理学療法の経験
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- odagiri ai
- 津軽保健生活協同組合 健生病院 リハビリテーション科
Description
【はじめに】近年、妊婦の高齢化や合併症妊娠が増加しつつある。本症例は子宮筋腫合併妊娠による早産を防ぐために長期安静と行動制限を強いられた結果、起居動作やトイレ動作が困難となった症例である。理学療法(以下PT)の介入によりそれらの動作が自立し、また無事に出産できたので以下に報告する。<BR>【症 例】・35歳 初産・診断名:子宮筋腫合併妊娠、切迫早産。現病歴:某年9.20(妊娠17w3days)子宮筋腫変性に伴う疼痛にて入院(切迫早産)10.7(19w5days)子宮頚管無力症のため手術施行。安静のため寝たきり状態となる。12.8(29W)PT開始。<BR>【PT評価】1.医師の処方内容:安静度解除に向け、ポータブルトイレ自立までのリハビリを行って欲しい。2.禁忌:腹筋群の強い収縮。3.初期評価1)基本動作:寝返り=可能、起きあがり、端座医保持=不可 2)筋力:両下肢=MMT3~3+レベル、両上肢=MMT5レベル 3)ADL:食事=ギャッチアップ座位で自立、更衣動作=背臥位で自立、排尿・排便=差し込み便器介助にて使用 4.Needs:自分でトイレ動作ができるようになりたい。5.問題点1)長期臥床による筋力低下 2)腹筋を収縮させる運動の禁止 3)1)2)のため起居動作困難 4)ADL制限 6.プログラム1)起居動作の指導 2)端座位ex. 3)両下肢筋力強化*腹筋への不可が絶対禁忌だったため、PT終了後には看護側が腹部エコーで胎児への影響を確認した。<BR>【経 過】某年12.13端座位保持可能 12.24車椅子座位可能<BR>翌年1.4起きあがり自立、車椅子押し歩行が5mほど可能 1.5ポータブルトイレ使用自立(ゴール達成) 1.12PT終了 2.12出産(在胎38w3days) 2.18当院退院<BR>【考察及びまとめ】本症例は子宮筋腫を合併した切迫早産妊婦で、早流産の危険が高いため、極度の安静・行動制限を強いられていた結果、起居動作が困難なまでに筋力低下をきたした症例である。このため腹筋群を使わず起きあがる方法の指導とポータブルトイレ使用の自立を目的にPTが処方された。PT開始前は看護師によるベッド上のエクササイズが行われていたが、起居動作の指導までには至らなかったようである。切迫早産の看護は主に早産の防止と安静・行動制限による苦痛の緩和に重点が置かれているが、長期の安静による筋力の低下が遅延分娩などの分娩時のトラブル、産後の疲労の増大につながるとされている。一般に切迫早産妊婦へのPTは禁忌とされているが、PTの介入により、腹筋活動を最小限にするなどの効率の良い身体の使い方を指導したり、必要最低限の筋力・体力を維持するなど極度の筋力低下を防ぐことができるのではないかと考える。また、PT施行後には胎児の状態をモニターチェックするなどでエクササイズの負荷を確認し、看護と連携を図ることが重要であると思われた。
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2003 (0), C0931-C0931, 2004
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680539761664
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- NII Article ID
- 130004578234
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed