実習生の情意面に目をむけて
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説明
【目的】臨床実習において指導者であるスーパーバイザー(以下SV )が学生を指導するにあたり各学生の能力を評価して指導するのは当然の事である。しかし現場において学生がなぜそのような行動をとるのかという情意面を把握することは容易ではない。そこで今回SVが学生の情意面を把握する方法として、当院臨床実習にきた学生同士でフリートークを試み学生が実習に対してどのように感じているのかについて若干の知見を得たので報告する。<BR>【対象及び方法】当院にて平成17年6月~7月の期間に臨床実習を行った学生4名(PTS3名 OTS1名)を対象とした。方法は、SV の非監視の下4名の学生同士で実習を振り返ってという題目でフリートークを行い、内容をテープレコーダーに録音し内容を文字変換した。その後発言した内容を、(1)実習の考え方(2)SVへの意見(3)評価・治療に関すること(4)実習の取組み方の4項目に分類した。実施日は実習最終日とした。なお音声の録音については事前に学生の承諾を得て行った。<BR> 【結果及び考察】各内容は、(1)は「実習はなりたくない人を落とすところだよね。」、「実習は人間関係を学ぶところでもある。」、「実習も乗り切ることが大切だよね。」「実習は自分がPTになりたいかどうかわかる。」「実習を通して患者さんや先生とのコミニュケーションのとり方を学んでいると思う。」という意見がでた。(2)は「先生から積極性がないねと言われたら余計にやる気がなくなるよね」、「先生の思いをおしつけてほしくない。先生はいいようにしようと思っているだけで自己満足だよね」、「学生一人一人の特性を知る事が大切だよね。」、「実習の始めの頃患者さんへの話し方とか注意されるけど話し方がわからないから先生の話し方を見て学んでいるんだよね。だからその事を先生には分かってほしい。」、「先生も学生のことを思って厳しくしてくれているんだよね。」という意見がでた。(3)は「評価する時に先生が近くにいると緊張して自分のやりたいことができなかった。だから余計に学生のメンタル面も考慮してほしかった。」、「バイザーとして学生の能力を引き出すのは大切な事じゃないか。」という意見がでた。(4)は「学校との雰囲気の違いに緊張して、何がわからないかが分からない。」、「見学については、毎日同じ事ばかりやっているから、質問もなくなってしまう。」「質問って患者さんの事に疑問を持つべきか先生のされていることに疑問をもつべきかわからない。」という意見がでた。今回の学生同士のフリートークの結果から、学生の実習に対する情意面での解釈は多様であり、自分で問題点の解決策を考えるより、SV に対する要望の発言が多い傾向が見られた。今後実習初期からこのような方法を試み、学生の本音を理解する方法として有効性があるかどうか検討して必要があると考えられた。<BR><BR><BR><BR>
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2005 (0), G0904-G0904, 2006
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680540460160
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- NII論文ID
- 110004995265
- 130004579755
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- NII書誌ID
- AN10146032
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可