コメディカル人体解剖実習教育全国調査

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【目的】臨床福祉専門学校では全国の理学療法士・作業療法士(PT・OTと略記)養成校教員の有志を集め、文部科学省の委託事業として「コメディカル教育における人体解剖実習の本格的導入に向けての養成校側の準備体制整備」事業を行なった。その事業の一環である調査の結果を報告する。<BR>【方法】全国PT172校、OT養成校161校への郵送によるアンケート調査。解剖学会のコメディカル教育委員会で実施された調査を参考に質問紙を作成した。<BR>【結果】平成16年11月9日段階でPT:95校55.2%、OT:76校47.2%の回収率である。剖出実習を実施しているのは、PT養成校で29.5%、OT養成校で25%であった。未実施の養成校でもPTで97%、OTで93%は剖出を伴う実習を希望し、見学のみの実習で十分とする養成校を大きく上回っていた。実施している場所では近隣の国公立あるいは私立の大学に依頼していた。実施している学年は1年次が両学科ともほとんどであるが、複数学年にわたる養成校も多く見られた。実習期間は1日のみがPTで53.6%、OTで36.8%と多く、期間が不十分であると答えている。実習前のオリエンテーションとしては「生命あるいは医の倫理」や「篤志献体についての説明」が両学科とも全校で行なわれていた。養成校教員のトレーニングに関しては、実施校のほとんどが「死体解剖資格」を取れるように研修すべきと考え、未実施校の多くも解剖セミナーへの参加経験者あるいは資格者が実習補助をすべきと考えていた。慰霊祭への参加を実施している養成校はPTで25%、OTで42%のみであった。不参加校の理由は「機会が与えられない」「大学の意向で不参加」などであった。解剖実習を行なっていない養成校でもPTで78.5%、OTで81%が解剖実習を実施するなら慰霊祭には参加すべきと答え、その他と答えた養成校も、「他のコメディカルと歩調をあわせる」「大学の判断」などとしている。卒後の人体解剖実習はPTで74.7%が必要と答え、不要は11.6%であったが、OTでは必要とした養成校が55.3%、不要とした養成校も27.6%あった。PTとOTの人体解剖実習に対する対応の違いを表す結果となった。<BR>【考察】剖出を実際に実施している養成校も3割近くに上り、未実施校でも9割以上が希望していたが、篤志献体によって成り立っている人体解剖実習でありながら慰霊祭への参加校は少なかった。自由記述のコメントから大学への配慮やコメディカル教育全体の動向を伺っている状況が考えられた。PT養成校の7割が卒後の解剖実習を必要としていたのに対しOTは6割弱と少なかった。PTとOTの人体解剖実習に対する対応の違いを表す結果となった。

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