介護保険を利用した福祉用具・住宅改修導入に関する調査について
-
- 東 純夫
- 琴の浦リハビリテーションセンター 和歌山県介護普及センター
書誌事項
- タイトル別名
-
- ―車椅子を中心に―
- 公開日
- 2005
- DOI
-
- 10.14900/cjpt.2004.0.e0845.0
- 公開者
- 日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
説明
【はじめに】福祉用具・住宅改修は、介護保険制度が始まってから、より急速に普及している。しかしこれらの利用は、本当に必要な方に必要なものをうまく活用することが大切で、必要以上に自立支援に沿わない用具等の導入を行うと、場合によってはより介護度が悪化させるようになってしまったりすることがある。今回、福祉用具・住宅改修の導入が適切に実施されているか和歌山県にて調査を行い、これに関わったので、その結果について特に車椅子を中心にその傾向について分析し精査したので報告する。<BR>【対象と方法】対象者は、和歌山県内各市町村で要介護認定を受け、福祉用具・住宅改修のサービスを利用した方とする。対象者は、市町村毎に無作為抽出し、調査は各市町村に依頼し、調査用紙による訪問調査を行った。調査数は1,505名抽出し、1,436名回収した(回収率95.5%)。調査内容は、対象者の傷病名・状況等、福祉用具・住宅改修の導入状況、導入後の対象者の現況等について調査した。<BR>【結果】主な利用状況は、入浴補助用具772件(53.8%)腰掛便座490件(34.1%)特殊寝台465件(32.4%)特殊寝台付属品402件(28.0%)車椅子271件(18.9%)手すり設置814件(56.7%)段差解消358件(24.9%)であった。車椅子利用状況としては、利用開始時要支援73名(26.9%)要介護度1の方59名(21.8%)であった。要介護認定度の変化は、改善23名(8.5%)維持25名(9.2%)悪化223名(82.3%)であった。また障害老人の日常生活自立度からみた場合、改善52名(19.2%)維持119名(43.9%)悪化100名(36.9%)であった。主な導入判断者は、介護支援専門員244件(90.0%)家族230件(84.9%)本人162件(59.8%)福祉用具供給事業者104件(38.4%)理学療法士30件(11.1%)であった。<BR>【考察】車椅子の導入状況を精査すると、要介護度変化は、約8割以上の事例で悪化傾向であった。特に導入時要支援状態の事例では、改善事例がなくほとんどが1~2ランクの悪化傾向で、要介護度の改善・維持に効果を現していない。しかし障害老人の日常生活自立度からみると、6割以上の方が改善・維持傾向で、支援の方だけで見てもほぼ5割の方で改善・維持傾向である。厚生労働省としては、車椅子は要支援での使用が想定しにくいものということであるが、確かに介護度だけでみると悪化傾向を現しているが、自立度レベルで見ると改善・維持に効果があがっているものと考えられる。また、車椅子選定者として理学療法士の関わりが約1割と少ない現状で、今後車椅子導入にあたり、より適切な車椅子導入の為もっと理学療法士の関わりの必要性もあるものと考えられる。どの福祉用具・住宅改修でも言えることであるが、導入にあたって利用者に適切なものを選定しないと、十分期待すべき効果が得られないことがあり、介護保険サービスをより有効にすすめるためにも、専門職も関わって介護支援専門員と共に、慎重に導入を検討しなければならない。
収録刊行物
-
- 理学療法学Supplement
-
理学療法学Supplement 2004 (0), E0845-E0845, 2005
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680541017984
-
- NII論文ID
- 130005013141
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可

