廃用性筋萎縮に対する経皮的な電気刺激療法の効果と実施日数の違いによる影響
書誌事項
- タイトル別名
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- ―動物実験による組織学的検索―
抄録
【はじめに】<BR>本研究はモーターポイント(MP)上に,異なる日数の電気刺激を与え,ヒラメ筋と足底筋に及ぼす影響を組織学的に検索した。そして筋萎縮の程度や筋線維タイプの変異など,電気刺激頻度に伴う効果を検討した。<BR><BR>【方法】<BR>生後8週齢の雄性Wistar系ラットを用い,対照群(C群),後肢懸垂群(S群),後肢懸垂と週5日電気刺激群(SE5群),後肢懸垂と週7日群(SE7群)に分け,各ラット左右下肢のヒラメ筋と足底筋を対象筋とした。研究方法は,1)一日一回一時間,同時間にSEN-7203(日本光電)を用い,1.5mAでMPを刺激する。2)2週間後,各群ラットより対象筋を摘出し,通常の方法・手順によりパラフィン浸透組織と凍結組織を作成する。3)上記2)の浸漬組織は回転式ミクロトームにより薄切(7μm)し,ヘマトキシリン・エオジン染色する。また,凍結組織はクリオスタットにより薄切(7μm)し,ATPase染色する。各プレパラートを光学顕微鏡にて観察し,筋横断面積と筋線維タイプを画像処理解析した。4)対象筋の4群間において,計量組織学的に多重比較により比較検討する。<BR><BR>【結果および考察】<BR>C群を100%として筋横断面積比を比較すると,ヒラメ筋はC群(100%)>SE7群(57.5%)>SE5群(51.4%)>S群(35.0%)で,全ての群間で有意差が認められた(何れもp<0.0001)。足底筋はC群(100%)>SE7群(85.3%)>SE5群(84.9%)>S群(80.2%)であった。群間で有意差が認められたのは,C群とS群,S群とSE5群,S群とSE7群であった(何れもp<0.0001)。ヒラメ筋に著しい筋萎縮が生じたのは,筋線維のタイプ構成のうち,I型線維が多く,不動化による筋萎縮ではI型の割合が減少してII型線維の割合が増加することから,廃用性筋萎縮によるタイプの構成比率の変化によるものと考えられる。一方,足底筋の筋タイプ構成はII型線維が極めて多く,不動化による構成比率の変化の影響を受けず萎縮比が少ないものと思われる。また,経皮的にMPを電気刺激することにより,ヒラメ,足底両筋において筋萎縮の予防効果が認められた。S群のC群に対する断面積比を予防効果0%として各群の予防効果率を求めると,ヒラメ筋ではSE5群が23.7%,SE7群が34.6%,足底筋ではSE5群が23.7%,SE7群が25.8%であった。これまでの筋への直接的な電気刺激と同様に,経皮的にMPを刺激することによっても筋萎縮の予防が確認された。さらに,毎日連続して刺激することが,より一層予防効果が高いことが改めて示された。しかし,足底筋において5日間と7日間の頻度では有意な差が認められず,廃用性筋萎縮予防には5日でも高い効果が示された。
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2004 (0), F0617-F0617, 2005
公益社団法人 日本理学療法士協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680541052160
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- NII論文ID
- 130005013156
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可