体重免荷トレッドミル歩行トレーニング時の体重免荷量が足底圧に及ぼす影響

Description

【はじめに】<BR>体重免荷装置を用いたトレッドミル歩行(Body Weight Supported treadmill walking;以下BWS歩行)トレーニングが近年注目を集めている。この装置は上方からハーネスを用いて吊り下げ、下肢にかかる荷重量を減少させトレッドミル上で歩行させるものである。歩行障害を有する患者に対するBWS歩行トレーニングの有効性や運動生理学的影響に関する報告は数多くあるが、体重免荷量が足底圧(床反力の垂直分力)にどの程度影響を与えるか、また歩行速度に影響を受けるかを明確にした報告はない。本研究の目的は、BWS歩行時の体重免荷量が足底圧に及ぼす影響を明確にすることである。<BR>【方法】<BR>対象者は、本研究に同意を得た健常成人10名(男性5名、女性5名、平均年齢24.5±2.5歳、平均身長162.9±6.7cm、平均体重58.0±11.9kg)とした。体重免荷にはハーネス式の体重免荷装置(BIODEX社製アンウェイシステムBDX-UWS)を用いた。免荷量は体重の0%(FBW)、10、20、30、40、50、60%(10~60%BWS)に設定し、歩行速度は2km/hと4km/hとした。足底圧の測定には足底圧測定装置(パロテックメディカルテクノロジー社製Parotec System)を用いた。左立脚期データに対して時間の正規化を行い、立脚時間(SP)を100%として表し、10%SPごとに足底圧を測定し、免荷量の変化による左足底圧の変化を反復測定一元配置分散分析と多重比較により有意水準5%で比較した。<BR><BR>【結果と考察】<BR>2km/hの場合、FBWと10%BWSを比較すると第1ピーク時(30~40%SP)で有意な減少が認められた。BWSレベルを上げていく程、床反力の第1ピーク時および第2ピーク時(70~80%SP)で体重免荷量付近まで足底圧の減少が大きくなるが、他の%SPではそれ程大きくならず足底圧曲線は平坦化していった。<BR>4km/hの場合、10~30%SPでのFBWと全てのBWSレベルを比較した時と40~90%SPでのFBWと20~60%BWSと比較した時は有意な足底圧の減少が認められたが、40~90%SPでのFWBと10%SPを比較した時は有意な減少が認められなかった。BWSレベルを上げていくとどの%SPでも有意に減少していき、特に第2ピーク時の減少率が大きくなった。しかし、その他の%SPでは減少率が上昇せず足底圧曲線は平坦化していった。<BR>歩行において床反力の第2ピーク時は重心が下方移動している時であり、ハーネスの上方への牽引力が身体の下方への重心移動を減少させ、第2ピーク時の減少率がより大きくなると考えられた。体重免荷によってどの%SPでも免荷量が等しいわけではなく、ピーク値での足底圧が減少しやすいということが示唆された。<BR><BR>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680541214976
  • NII Article ID
    130005013390
  • DOI
    10.14900/cjpt.2006.0.a0540.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top