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ヒト上腕二頭筋から腕橈骨筋への抑制:筋電図平均加算法を用いた解析
Description
【目的】<BR> 著者らはpost-stimulus time-histogram(PSTH)法を用いた解析から、上腕二頭筋(BB)と腕橈骨筋(BR)の間のI群線維を求心性神経とする寡(2から3)シナプス性抑制性反射回路(抑制)を報告してきた(Miyasaka et al. 1995; Naito et al. 1996)。しかし、PSTH法は個々の運動ニューロンに対する反射の効果を調べるものであり、未だ同抑制の運動ニューロン群に対する効果を調べた報告はない。また、I群線維が筋紡錘由来のIa線維か腱器官由来のIb線維かの鑑別もなされていない。そこで本研究では、筋電図平均加算(EMG-A)法を用いて、先ずBBからBRへの抑制について運動ニューロン群に対する効果を調べ、I群線維の鑑別も行った。<BR>【方法】<BR> 対象は健常者8名(男6名、女2名、21-41歳)とした。被験者には山形大学医学部倫理委員会で承認された研究目的と方法を説明し承諾を得た。実験中、被験者は椅子に座り、肩0-20°屈曲位、肘70-90°屈曲位にし、右前腕を回内位にして台に固定した。<BR> BRの等尺性収縮(最大収縮の5%)の筋電図を記録しながら、条件刺激としてBBの電気刺激(ES)と機械的叩打刺激(MS)を行い、刺激後のBRの収縮の変化をEMG-A法により調べた(鈴木ら 2005; 小川ら 2005)。ESには表面電極(電極間1.5 cm)と電気刺激装置を用い、電極を三角筋前縁より3-6 cm遠位のBB長頭と短頭の間に置いた。刺激波形は幅0.5-1.0 msの矩形波とし、強度はBBの運動閾値直下とした。MSは機械刺激装置を用いて停止腱または腱近くの筋腹に行った。強度は0.1-0.5 mmの深度とした。BRの筋電図は筋腹中央に貼付した表面電極(直径8 mm、電極間1.5 cm)により誘導し、全波整流後加算平均した。刺激前60-10 msの平均振幅をコントロール(100%)とし、刺激後最も短潜時の振幅の変化(減少:抑制)を調べた。2つの抑制の潜時差と同じ刺激で誘発されるBBのHoffmann(H)波とTendon(T)波の潜時差を比較した。BB筋腹に振動刺激(VS、80-90 Hz)を加え、抑制に対する効果を調べた。検定はStudent's t-testを用いて行い、有意水準は1%未満とした。<BR>【結果と考察】<BR> BBのESとMSにより、8名全ての被験者のBRにそれぞれ潜時10-15(平均±標準偏差:12.9±1.4) msと15-19(17.0±1.3) ms、減少量12-15(13.8±1.1)%と10-18(15.3±2.5)%の抑制(p<0.01)が誘発された。この抑制の潜時差はBBのH波とT波の潜時差とほぼ同じであった。6名にVSを行い、全てで抑制が消失した。以上、BBからBR運動ニューロン群にIa線維を求心性神経とする抑制のみられることが示された。<BR>
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2006 (0), A0491-A0491, 2007
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680541314304
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- NII Article ID
- 130005013341
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed