住宅改修に関するケアマネジャー支援研修の取り組みの紹介とアンケート調査

Description

【はじめに】<BR>介護支援専門員(以下、「ケアマネジャー」とする。)が介護保険制度による住宅改修を進める際に、経験の少ないケアマネジャーほど不安を抱えながら行っている。当施設で実施している住宅改修に関するケアマネジャー支援研修の取り組みの紹介と、実施後に行ったアンケート調査の内容を報告する。<BR>【支援研修の取り組み】<BR>支援研修はケアマネジャーの技術支援を目的として、住宅改修セミナーと題し、当施設で毎年開催している。内容の企画は主に住宅改修アドバイザーが行っている。住宅改修アドバイザーとは区からの委託で、住宅改修の助言・指導を区民やケアマネジャーに行っている当施設の理学療法士・作業療法士のことである。<BR>このセミナーの目的は受講者に住宅改修に関する知識や考え方・進め方の理解をより一層深め、注意すべき重要なポイントを体得してもらうことである。事例を受講者がグループワークで検討して、改修内容について発表する形をとっている。発表に対して、住宅改修アドバイザーやアドバイザーの指導を行っている建築学科教授が講評を行う。セミナーの時間は1回3時間半である。<BR>【アンケート調査】<BR>セミナー終了後に、内容についてアンケート調査を行った。調査は平成16年6月の2回の開催日に行った。セミナー受講者の合計44名全員から回答を得た。<BR>【結果】<BR>(1)対象者は44名(男性5名、女性39名)、平均年齢は43.4±10.0歳(24~65歳)、職種・資格(重複回答)はケアマネジャー36名、介護福祉士18名、訪問介護員11名、看護師5名、社会福祉士4名、その他6名<BR>(2)過去1年間の住宅改修の経験件数は平均3.9±3.8件(最小0件、最大12件、0件は10名)<BR>(3)セミナーの内容について<BR>ア)評価の大切さ:「(a)よくわかった」26名(59.1%)、「(b)わかった」13名(29.5%)、「(c)ふつう」3名(6.8%)<BR>イ)評価から問題点を導き出すこと:(a)16名(36.4%)、(b)22名(50.0%)、(c)4名(9.1%)<BR>ウ)動作は点ではなく流れであること:(a)17名(38.6%)、(b)20名(45.5%)、(c)5名(11.4%)<BR>エ)改修によって生活に変化を与えることが期待できること:(a)15名(34.1%)、(b)20名(45.5%)、(c)6名(13.6%)<BR>オ)時間について:「充分考える時間があった」2名(4.5%)、「ふつう」12名(27.3%)、「もっと考える時間が欲しかった」28名(63.6%)<BR>【考察とまとめ】<BR>ケアマネジャーに対して理学療法士・作業療法士が中心となって企画して行った住宅改修に関する支援研修についての取り組みを紹介した。実施後のアンケートでは8割以上の受講者が住宅改修を行う際の評価のポイントや効用について理解していた。時間については足りないとの意見が多く、今後の検討課題である。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680541487872
  • NII Article ID
    130005013028
  • DOI
    10.14900/cjpt.2004.0.e0223.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top