全国高等学校総合体育大会水球サポート活動の成果と障害特性

DOI
  • 水田 宗達
    社団法人埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会 埼玉県総合リハビリテーションセンター理学療法科
  • 遠藤 浩士
    社団法人埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会 伊奈病院リハビリテーション科
  • 長瀬 エリカ
    社団法人埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会 上尾中央医療専門学校理学療法学科
  • 藤縄 理
    社団法人埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会 埼玉県立大学保健医療福祉学部理学療法学科
  • 佐々木 良江
    社団法人埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会 埼玉医科大学病院リハビリテーション科
  • 浦川 宰
    社団法人埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会 埼玉医科大学病院リハビリテーション科
  • 竹中 良孝
    社団法人埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会 上尾中央総合病院リハビリテーション科
  • 根岸 朋也
    社団法人埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会 伊奈病院リハビリテーション科
  • 名塚 健史
    社団法人埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会 埼玉医科大学かわごえクリニックリハビリテーション科
  • 石崎 耕平
    埼玉県総合リハビリテーションセンター理学療法科
  • 川口 桂蔵
    埼玉県総合リハビリテーションセンター理学療法科

抄録

【はじめに】埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会では、埼玉県で開催された平成20年度全国高等学校総合体育大会の6競技においてコンディショニングルームを設置し、コンディショニングサポート活動(以下サポート活動)を行った.その中の1競技であった水球競技におけるサポート活動について報告する.<BR>【方法】平成20年8月16日から8月20日の5日間、水球競技会場にコンディショニングルームを設置しサポート活動を行った.活動内容、利用者アンケートを集計し障害特性や活動の成果について検討した.評価用紙及びアンケート使用については、利用者から承諾を得た.<BR>【結果】期間中の利用者のべ人数は79名であった.主訴の割合は疼痛が45%、張り感18%、疲労感16%、だるさ11%、相談3%、腫れ2%、未記入5%であった.障害部位の割合は肩関節39%、腰部30%、肘関節9%、膝関節5%、股関節4%、足関節4%、大腿部、手指が各3%、頸部、上腕部、未記入が各1%であった.発症からの期間の割合は1週間以内22%、1ヶ月以内20%、1ヶ月以上46%、未記入11%、不明1%であった.サポート活動内容の割合はマッサージ28%、ストレッチ26%、リハビリ指導18%、促通16%などが多くアイシング2%、テーピング2%は少数であった.サポート後の主訴の変化割合は有効67%、無効7%、悪化0%、未記入26%であった.アンケートは47名から回答が得られた.サポート後の感想では痛みが楽になった25%、体が軽くなった25%、動きが良くなった23%、安心感が得られた12%、欲しかった情報が得られた12%、競技・試合への不安が和らいだ3%であった.満足度の項目では大変満足を10点、不満足を0点とし11段階で記入してもらったところ平均は9.2点であった.<BR>【考察】今回のサポート活動では外傷によるものは少なく慢性的な腰や肩などの痛み、疲労感、張り感などに対するサポート活動が多い傾向であった.これは水中という不安定な環境下での投球動作や顔を上げた状態での泳動作など水球という競技特性が影響していると思われる.このような障害特性によりサポート内容はマッサージ、ストレッチ、促通で症状を軽減させ今後のリハビリ方法指導という流れが多くなったと考える.利用者やサポートスタッフの主観的な感想ではあるが有効との意見が多かったこと、利用者満足度が高かったことから今回のサポート活動では理学療法士の技術を活かせたのではないかと考える.しかし今回の結果では理学療法士介入により症状改善の効果があるといった客観的なデータを示すことはできない.今後の課題としてあげられるのは理学療法士介入による効果判定の方法などを検討し客観的なデータを提示していくことである.これにより指導者や選手に対しサポート活動の必要性が広まり理学療法士の認知度が高まっていくものと考える.

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2008 (0), C3P1436-C3P1436, 2009

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680542577024
  • NII論文ID
    130004580702
  • DOI
    10.14900/cjpt.2008.0.c3p1436.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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