内側縦アーチ高率と後足部アライメントの関係

書誌事項

公開日
2009
DOI
  • 10.14900/cjpt.2008.0.c3p1447.0
公開者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)

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説明

【はじめに】<BR> 足部アーチ構造は蹴り出しの推進力や重心の安定化に重要な役割を担っている.しかし過度のストレスの反復によってアーチは低下し、足部変形、疼痛を生じる.荷重ストレスは足部アーチを適度に低下させ分散させている.距骨に加わった荷重は距骨下関節において踵骨を回内させ、総ての足根骨に運動連鎖を招き、結果的に内側縦アーチを低下させる.このような運動連鎖が起こることは周知の如くであるが、臨床経験上、必ずしも荷重における運動連鎖のメカニズムを反映していない場合がある.そこで今回、内側縦アーチ高率と下腿-踵部角(Leg heel alignment、以下LHA)との関係について検討したので、若干の考察を加えて報告する.<BR><BR>【対象と方法】<BR>対象は整形外科的疾患のない健常人28名(男性10名・女性18名、平均年齢22.46歳±7.46歳、平均身長164.86cm±8.07cm、平均体重57.96kg±10.92kg)、測定足は軸足とした.対象者には事前に研究目的、測定方法を説明し同意を得た.<BR> 方法は、肩幅程度に離した自然立位で軸足を体重計の上に乗せ、両下肢に均等な荷重がかかるように立位保持をさせた.そして、その姿勢で舟状骨高を計測し、大久保が提唱している足アーチ高率(舟状骨高/足長×100)を算出した.またLHAも自然立位の状態でデジタルカメラを使用して撮影し、撮影した写真をプリントアウトして下腿-踵部のなす角度を測定した.<BR>統計処理は、内側縦アーチ高率とLHAとの関係を明らかにするため、Fisherの相関分析を行った.<BR><BR>【結果】<BR>内側縦アーチ高率とLHAとの間に有意な負の相関を認めた(r=-0.605).しかしLHA0~10°の正常範囲(n=24)では内側縦アーチ高率とLHAとの間には相関は認められなかった.<BR>またLHAの正常範囲内におけるアーチ高率は10.4%~15.7%であった.<BR><BR>【考察】<BR>両足の立位では、体重の垂線は両足の舟状骨を結ぶ線の中間に落ちる.体重は下腿から足関節を経て距骨に負荷され、距骨から足根骨、中足骨、趾骨へと分散、伝達される.距骨は踵骨に対して前上方に位置しており、下腿からの過度の負荷によって前内方へ滑る傾向がある.この変化が踵骨に対する荷重負荷の作用中心を内側へ偏位させ、踵骨を外がえし、底屈させる.踵骨の外がえし底屈に伴い、内側縦アーチは低下する.<BR>今回の結果は、内側縦アーチ高率とLHAとの間には負の相関がみられた.しかし、LHA10°以下の正常範囲になると、この関係は必ずしも成立していない.そのため足部アライメントの評価の際には、LHAと内側縦アーチ高率の両方の評価を行う必要がある.<BR>本学会において、更に詳細について報告したい.

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2008 (0), C3P1447-C3P1447, 2009

    日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)

被引用文献 (1)*注記

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