鯖江市における「エンターテイメント リハビリテーション」の取り組みついて

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抄録

【はじめに】<BR> 平成18年度から特定高齢者のための地域支援事業、介護保険通所サービス事業所における介護予防サービスが行われている。 今回、鯖江市おいて理学療法士としての視点から、目的に応じたエンターテイメント リハビリテーション(以下、エンタメリハと略す)を提案し、介護予防・地域サロンをはじめとした各種事業で実践している内容を紹介する。<BR>【目的・方法】<BR> エンタメリハは、1 アセスメント 2 調整力(巧緻性・バランス能力等)・筋力・肺機能等運動器の機能向上などの目的を設定 3 スタッフミーティング 4 競技性・ギャンブル性・非日常性等による快刺激、失敗を楽しめる楽観性、チームワークなどの心理的アプローチを加えた場面を設定 4 笑う、感動する、涙する、熱くなる、思いやるなどの感情に働きかける多角的な演出 5 一人一人を観察、エスコート、評価するという一連の手法を基本とした。講習会は介護予防サービス従事者、市内各施設職員、サロンリーダー等の研修会を通じて実施し、アセスメントならびにプログラムを実行するスタッフの視点と取組みを重視した理念を確認、各現場での実践を促した。<BR>【実践内容】<BR> 目的をコーディネーション(調整力)系、バランス系、筋力系、肺機能系、快刺激系、創造力系、イベント系、計算系、回想系等に大別し、各目的別に手法を選択した。手法は、健康体操、お手玉遊び等の伝承遊び、スマートボール、野球盤、競馬、競艇、吹き矢、リバーシブル福笑い、紙相撲、お座敷運動会、劇、手工芸等、馴染みのある物を用いた。必要な大道具、小道具は参加者やその家族に協力を依頼し、一つ一つ作り上げた。<BR> メインプログラムの所要時間は約1時間とし、中心司会者を立て、個人訓練を集団で行うイメージで行った。プログラムにおける参加者一人一人の目的と観察視点を明確にし、スタッフ全員で観察・評価を行い、集団の中で個人が埋もれないように配慮した。<BR>【まとめ】<BR> 事前事後アセスメント・サービス計画等を通じて、理学療法士が明確な目的を示すことにより、関係スタッフ全員が同じ視点に立ち、役割を確認することができた。また、メインプログラムのみならず、食事や入浴、整容等の日常生活動作においても、目的あるアプローチは立派なエンタメリハに成りうるものと考え、関係スタッフ全員の積極的な参加を促すことで、それぞれの立場でエンタメリハを展開できるようになったと好評である。<BR> 今後も利用者ならびに地域に合わせたエンタメリハの創意工夫に取組んでいきたいと考える。

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2006 (0), E1084-E1084, 2007

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680542783360
  • NII論文ID
    130005014454
  • DOI
    10.14900/cjpt.2006.0.e1084.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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