筋収縮様態の違いによる筋力増強効果の違い
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- 1 Repetition Maximum(1RM)と1 Isometric Maximum(1IM)を用いて
Description
【目的】筋力増強運動の方法の一つに,1 Repetition Maximum(1RM)あるいは1 Isometric Maximum (1IM)を元に運動負荷量と運動回数を決定する方法がある.筋力増強には,遠心性収縮では1RMの100~130%,求心性収縮では1RMの60-90%の負荷量が適当と言われている.また,等尺性収縮は1IMの60-90%で保持時間は10~30秒である.そこで本研究では,筋収縮様態の違いによる筋力増強運動の効果を検討したので報告する.<BR>【方法】実験の趣旨を説明し承諾を得た健常成人32名(男12名・女20名,平均年齢28.0歳).運動課題は,利き手側の肘関節屈曲と伸展運動に対する4条件(8人ずつの4群に無作為割付)での4週間の筋力増強運動とした.A群:遠心性収縮.IRM[kg]の120%負荷量にて4回を6セット実施.B群:求心性収縮.1RMの80%負荷量にて12回を1セット実施.C群:求心性収縮.1RMの80%負荷量にて12回を2セット実施.D群:等尺性収縮.1IM[kg]の80%負荷量にて20秒保持1回を3セット実施.A・C・D群のセット間休息は3分.A群は2日置き,他の群は1日置きに実施.使用機器はロジャーモバイルスピードプーリー(日本メディックス)と体重計で,肘関節屈曲と伸展の1RMと1IMを,介入前・介入後2週・介入後4週に測定した.結果は,SPSSを用いて二元配置分散分析と多重比較検定で分析し,有意水準を5%未満とした.<BR>【結果】介入前の4群間の年齢,身長,体重の他,全ての測定項目に有意差はなかった.各群内における測定時期の比較(Dunnet法)では,A群が,肘屈曲1RM:介入前(7.1)→4週後(7.5),肘伸展1RM:前(7.9)→4週後(8.4),肘屈曲1IM:前(13.3)→4週後(15.0),肘伸展1IM:前(9.6)→4週後(11.4)に有意に増加した.B群は,肘伸展1RM:前(7.7)→4週後(8.3),肘屈曲1IM:前(13.3)→2週(15.3)と4週後(15.4)に有意に増加した.C群は,肘屈曲1RM:前(6.4)→4週後(7.1),肘伸展1RM:前(7.3)→4週後(7.9),肘屈曲1IM:前(12)→2週(14.3)と4週後(14.3),肘伸展1IM:前(10.3)→4週後(12.5)に有意に増加した.D群は,肘屈曲1IM:前(9.4)→2週(12.4)と4週後(14.1),肘伸展1IM:前(9.3)→4週後(11)に有意に増加した.初回を100%として正規化し、介入後2週と4週それぞれにおける各群間比較(scheffe法)では,介入後4週で,肘屈曲1IMにおいてD群が高い増加率を示した.<BR>【考察】等尺性収縮力は求心性収縮よりも10~15%強く,遠心性収縮力は等尺性収縮より30~40%強いと言われている.今回,A群の遠心性収縮とC群の2セット実施した求心性収縮において,肘関節屈曲と伸展ともに介入4週後には1RMと1IMが増強した.B群の1セットのみの求心性収縮では筋力増強は少なかったことからも,求心性収縮でセット数を増やすことで,遠心性収縮と同程度の筋力増強が期待できる.また,D群の等尺性収縮では,肘関節屈曲と伸展ともに介入4週後には1IMのみの増加を示したことから,求心性収縮力の増加にはつながらないことが示唆された.
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2006 (0), A0648-A0648, 2007
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680543733760
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- NII Article ID
- 130005013498
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed