人工膝関節置換術の術式間の比較検討
書誌事項
- タイトル別名
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- MIS TKAとUKAとの比較
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説明
【はじめに】当院では早期リハビリ・早期退院へ向け平成17年3月より、最小侵襲人工膝関節全置換術(以下MIS TKA)術後当日歩行を開始している。それにより今までのstandard TKAに比して大幅な在院日数の短縮が図れ、また退院時に獲得できる可動域についても在院日数が短縮しても差はなく、MIS TKAの有用性が示唆された。また当院では初期の関節変形に適応される人工膝関節単顆置換術(以下UKA)の手術も行っている。今回われわれは人工膝関節置換術の術式による比較検討を行ったので報告する。<BR>【対象】対象はMIS TKA術後当日歩行を開始した群とUKAを施行した群の任意に抽出した各々7関節を比較検討した。MIS TKA手術当日歩行開始群の平均年齢72.8歳、男性2関節、女性5関節。UKA施行群の平均年齢70.6歳、男性1関節、女性6関節。全例変形性膝関節症であった。<BR>【方法】MIS TKA術後当日歩行開始群:AM9時手術室へ。AM11時病室へ帰室。同日PM4時全荷重歩行開始とした。UKA施行群:手術翌日より全荷重歩行開始とした。この2群について各々在院日数、リハビリテーション実施日数、リハビリテーション開始時・退院時の関節可動域の改善した角度について比較検討を行った。統計処理はt検定を用いた。<BR>【結果】MIS TKA術後当日歩行開始群とUKA施行群において、平均在院日数は28.8日と29.6日と在院日数においてはほとんど差は認められなかった。リハビリテーション実施日数においても20日と18日とほとんど差は認められなかった。リハビリ開始時・退院時関節可動域については屈曲・伸展共に改善した角度に両群間で有意差は認められなかった。<BR>【考察】UKAはTKAに比して単顆置換術のため内側のみの初期の関節変形の段階で行われる術式であり、靱帯も術後でも温存されるため、早期退院や術後の成績も良好であると考えられた。しかし差は認められなかった。これはTKAでも最小侵襲手術法により皮切もUKAと同等の7cm程度であったこと。大腿四頭筋をもちあげ関節包を縦割したため、大腿四頭筋を温存できたこと。また術後当日に歩行開始が行えたことが大きく関与していると考えられる。今後は退院後の経過など長期的な側面や疼痛、歩行補助具の使用状況など多方面から更なる検討を行っていきたいと考える。<BR><BR><BR>
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2006 (0), C0279-C0279, 2007
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680544194176
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- NII論文ID
- 110006374018
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- NII書誌ID
- AN10146032
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可