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人工膝関節全置換術における術後関節可動域の予後予測
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Description
【目的】人工膝関節全置換術(以下、TKA)後の関節可動域において、術前の可動域が大きく影響するという報告が散見される。我々の先行研究においても同様の結果が得られ、術前可動域は術後の予後を予測する要因として有用であることが示唆された。つまり、術前可動域は術後の目標角度を設定する上で重要な指標となり得る。しかし、目標角度を獲得するまでの経過には個人差があり、それを考慮したアプローチが必要となる。そこで今回、術後可動域の推移を検討することにより、症例の回復過程に即した理学療法が実施できるのではないかと考え、術後屈曲および伸展角度の推移について検討した。<BR>【方法】対象は、当院でTKAを施行した155名169膝のうち、術後理学療法で関節可動域訓練に制限を要した10膝、深屈曲タイプ使用の16膝を除いた132名(平均年齢73.1±7.4歳、男性26名、女性106名)の143膝である。全膝において術後翌日より自動および徒手による他動関節可動域訓練を実施した。術後1・3日、1・2・3・4週の屈曲および伸展の平均角度を、反復測定分散分析とScheffeの多重比較検定を用いて分析した。<BR>【結果】全143膝の各時点での平均屈曲角度は、術後1日94.2±17.6度、3日106.6±11.9度、1週114.1±12.7度、2週120.2±8.0度、3週122.8±10.2度、4週122.9±6.0度であり、群間差(F=132.5,p<0.01)が認められた。多重比較検定により各群を比較すると術後2週までは有意差(p<0.01)が認められたが、それ以降は2週の値と有意差は認められなかった。また、平均伸展角度は、術後1日-6.2±6.1度、3日-3.7±4.8度、1週-2.2±4.0度、2週-1.6±3.4度、3週-1.2±2.9度、4週-1.0±2.8度であり、群間差(F=31.5,p<0.01)が認められた。多重比較検定により各群を比較すると、屈曲角度と同様に術後2週までは有意差(p<0.01)が認められたが、それ以降は2週の値と有意差は認められなかった。<BR>【考察】TKA後の屈曲および伸展角度の推移を検討した結果、両方向ともに術後2週間は有意に改善が認められたが、その後の可動域は統計学的に差が認められなかった。このことから、TKA後の関節可動域は術後2週間でその予後が決定される可能性が示唆された。これらの知見から、TKA後の理学療法では、術前可動域に基づいた目標角度を設定するとともに、術後2週までに目標角度に近い可動域を獲得することが、良好な関節可動域の獲得に繋がると考えられた。
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2006 (0), C0287-C0287, 2007
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680544208128
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- NII Article ID
- 110006374026
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- NII Book ID
- AN10146032
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed