荷重位中殿筋トレーニングが片脚着地に与える影響

  • 鳥居 扶吉子
    船橋整形外科病院スポーツ医学センター理学診療部
  • 佐藤 謙次
    船橋整形外科西船クリニックスポーツ医学センター理学診療部
  • 細川 智也
    船橋整形外科西船クリニックスポーツ医学センター理学診療部
  • 望月 良輔
    船橋整形外科西船クリニックスポーツ医学センター理学診療部
  • 梅原 弘基
    船橋整形外科西船クリニックスポーツ医学センター理学診療部
  • 岡田 亨
    船橋整形外科病院スポーツ医学センター理学診療部
  • 土屋 明弘
    船橋整形外科病院スポーツ医学センター
  • 蟹沢 泉
    船橋整形外科病院スポーツ医学センター
  • 加藤 宗規
    了徳寺大学健康科学部理学療法学科
  • 松田 雅弘
    了徳寺大学健康科学部理学療法学科

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  • 三次元動作解析装置を用いて

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【目的】昨年度、本会において我々は外転筋機能向上のために中殿筋トレーニングとして荷重位での片脚立位対側股関節開排と片脚立位対側股関節外転の有効性を報告した。そこで今回は、荷重位中殿筋トレーニングが片脚着地時の股関節、膝関節角度に与える影響を三次元動作解析装置を用いて検討した。<BR>【方法】対象は同意書への署名を得た下肢疾患の既往のない健常人22名(男性16名、女性6名)、平均身長169.5±7.7cm、平均体重64.3±9.6kg、平均年齢22±4.5歳とした。またトレーニング群10名とコントロール群12名に、乱用表を用いて無作為に分類した。測定手順は中殿筋トレーニングの前後に、三次元動作解析装置を使用し股・膝関節角度を比較した。介入方法は、片脚立位での対側股関節開排、片脚立位での対側股関節外転を各10回3セット、週3回、4週間施行した。計測動作は高さ30cm台からの片脚着地を5回施行した。画像データを三次元動作解析装置MAC3DSystem(Motion Analysis社製)に取り込み、三次元動作解析ソフトOrtho Trak Ver6.2.8(Motion Analysis社製)を用い、股関節内外旋・内外転・屈伸、膝関節内外旋・内外反・屈伸の12の運動方向を算出した。反射マーカーはHelen Hayes下肢セットに準拠し、19個貼付した。角度算出は、接地直後0.5秒間における最大角とし5回の平均を求めた。股関節外転筋力はBiodex system3(Biodex社製)を用い、側臥位・股関節中間位にて5秒間の等尺性最大筋力を最大トルク体重比率(%PT)にて算出した。統計学的処理は介入前後の値を対応のあるt検定を用いて比較した。<BR>【結果】各運動方向の平均角度は、コントロール群において介入前後の有意差は認められなかった。トレーニング群において股関節内旋介入前4.0/後4.1、外旋介入前3.2/後2.7、内転介入前3.5/後7.0、外転介入前8.9/後5.3、屈曲介入前27.5/後32.9、伸展介入前-12.3/後-18.7、膝関節内旋介入前-7.7/後-7.3、外旋介入前15.7/後15.5、内反介入前5.6/後3.8、外反介入前-1.1/後0.9、屈曲介入前52.9/後53.3、伸展介入前-23.0/後-27.3となった。股関節外転角度のみ有意に減少した(P<0.05)。%PTは介入前147.8±27.1%、後173.1±24.4%で有意に増加した(P<0.05)。<BR>【考察】荷重位中殿筋トレーニングにより股関節外転筋力の増加が認められた。しかし膝内外反角度の変化は認められなかった。これは股関節外転角度の減少が認められたことにより、股関節外転筋の作用が股関節に発揮されたものと考える。

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