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変形性膝関節症の膝関節外反モーメントと姿勢との関係
Description
【目的】内側型変形性膝関節症(膝OA)は、膝関節内側コンパートメントに生じる荷重ストレスの指標となる膝関節外反モーメント(KVlM)が増加し、それが進行に関与することが報告されている。KVlMは姿勢に影響を受けるが、膝OAにおけるKVlMと姿勢との関係は未だ解明されていない。そこで、KVlMに影響を与える身体体節角度を明らかにすることを本研究の目的とした。<BR>【被験者】被験者は片側性または両側性内側型膝OAと診断された女性30 名 (平均年齢 64.33±10.5歳)の膝OA 群であった。比較のために、日常生活で膝関節痛を有さない女性17 名(平均年齢62.39±7.5 歳) を対照群の被験者として加えた。<BR>【方法】被験者の体表面上にマーカを貼付し、三次元動作解析システム(キッセイコムテック社製kinema tracer、アニマ社製床反力計)による足踏み動作の計測を行った。得られたデータから、KVlM、身体体節角度を算出した。身体体節角度は、膝関節屈曲角度、股関節外転角度、両肩峰傾斜角度、前額面上の骨盤傾斜角度、下腿傾斜角度、大腿傾斜角度、前額面上の下部体幹に対する上部体幹側屈角度、前額面上の体幹側屈角度、前額面上の股関節・膝関節・足関節マーカーのなす角度を算出した。両肩峰傾斜角度、骨盤傾斜角度、上部-下部側屈角度、体幹角度は立脚側への傾斜を正、遊脚側への傾斜を負とした。KVlM、身体体節角度を膝OA群と対照群で比較するとともに、各群別に相関解析とステップワイズ回帰分析にてKVlMに影響を与える身体体節角度を解析した。<BR>【結果および考察】対照群、膝OA 群ともに、荷重応答期から片脚起立期に移行するときに膝関節外反モーメントを有意に減少させていた。しかしながら膝関節外反モーメント比率は、対照群では荷重応答期から片脚起立期に移行するときに有意に減少させていたが、膝OA群では有意な差は認められなかった。また、対照群では荷重応答期から片脚起立期に移行するときに身体体節角度を変化させているのに対し、膝OA では身体体節角度の変化による対応がなされていなかった。対照群、膝OA 群ともに膝関節外反モーメントとその比率は、身体体節角度に影響を受けることが示唆された。対照群は膝関節外反モーメントとその比率は多くの身体体節角度に影響を受けるが、膝OA 群では1 つの身体体節角度に影響をうけていた。<BR>【まとめ】照群は身体体節の自由度が高く、それを有効に利用した姿勢戦略を行っているのに対し、膝OA 群では身体体節の自由度が低く、膝関節を回転軸とした姿勢戦略を行っていた。膝関節外反モーメントを減少させるための理学療法では姿勢や姿勢戦略を変化させることによって膝関節外反モーメントとその比率を変化させることにつながる。膝OA の理学療法では身体体節の自由度を高めることが重要であることが示唆された。<BR>
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2006 (0), C0263-C0263, 2007
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680544251648
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- NII Article ID
- 130005013901
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed