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当院における血液透析中の運動療法の取り組み
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Description
【はじめに】<BR>血液透析療法が普及し約30年になるが、透析技術の進歩により20年以上の長期生存者も増加している。その一方で透析患者の高齢化や透析のストレス、心不全、生活習慣の合併、筋力低下、QOL低下等が問題視されている。通常血液透析時間は平均4~5時間であるが、当院ではこの血液透析時間を有効に活用し、外来透析患者の脚力強化・運動の習慣化を目的に透析中の運動療法を実施している。今回、当院での血液透析施行中の運動療法の取り組みについて報告する。<BR>【実施内容】<BR>対象は当院外来血液透析患者100名中アンケート調査から抽出し、冠動脈疾患のコントロールがついている7名とした。実施日は透析日の週3回とし、実施内容は運動療法開始前に心肺運動負荷試験、SF-36、身体組成装置MLT-50、採血(透析前のアルブミン値、%クレアチニン産生速度)、運動機能評価を行い、3ヶ月、6ヶ月ごとに再評価を実施する。評価結果より目標心拍数の設定と運動療法の種類の選択を行う。運動療法の内容は透析開始前に30分程度の筋力トレーニング、ストレッチと透析開始1~2時間後より20分間のエルゴメーター運動とした。運動強度は嫌気性代謝閾値1分前の脈拍、または安静時心拍数+30拍(β遮断薬投与者は安静時心拍数+20拍)以下、ボルグ指数12~13以下で設定した。透析中のエルゴメーター運動時は心電図モニター管理、開始前、10分後、終了時に血圧、脈拍、SpO2を測定しリスク管理を行った。運動療法の中止基準は日本循環器学会等で作成した運動療法ガイドラインを参考とした。<BR>【経過】<BR>3ヶ月後の評価では筋力、柔軟性などの運動機能、採血データともに有意な変化は認めなかった。しかし、血液透析中のエルゴメーター運動時の循環動態に大きな変動は認めず、20分間安全に運動を実施できた。アンケート調査結果では7名中6名が今後も運動療法を継続したいとの意志が見受けられ、自宅においても運動療法が習慣づけられた。<BR>【今後の課題】<BR>近年、腎臓リハビリテーションが注目されている。金澤らは、十分なリスク管理を行えば透析中の運動療法は実施可能である。また長期に運動療法を継続させるには非透析日より透析中に運動することが有効であると報告している。当院ではこれまで運動療法の指導は十分になされていなかったが、2007年7月より透析中の運動療法を開始した。3ヶ月経過したが、血液透析施行中の運動療法時の循環動態に大きな変動は認めず、冠動脈疾患のイベントもなかった。運動機能や採血データに有意な変化は認めなかったものの運動療法の習慣化は認められた。今後は、長期継続の効果判定や対象症例数の増加を図り、安全により効果的なプログラムの立案をすすめていきたい。<BR>
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2007 (0), D1716-D1716, 2008
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680544304000
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- NII Article ID
- 110006801273
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- NII Book ID
- AN10146032
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed