前十字靭帯再建後の膝関節における3次元運動分析
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- 歩行・階段昇降動作
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Abstract
【目的】<BR> 前十字靭帯(以下ACL)損傷後の再建術として、膝蓋腱(以下BTB)再建術が行われている。臨床上BTB再建術後の膝関節は、階段昇降時の膝関節回旋角度の減少が観察された。本研究では、BTB再建術後の荷重時における膝関節回旋運動に着目し、階段昇段・降段動作、歩行動作の特徴を明らかにする事を目的とする。<BR>【方法】<BR> 対象は、下肢に整形外科的疾患の既往のない健常成人8名:年齢24.0±1.4歳 身長164.4±10.1cm(左右下肢:健常膝)、BTB再建術後患者5名:年齢27.2±7.3歳 身長177.1±3.3 cm (ACL再建術後の膝:再建膝、反対側の膝:健側膝)とした。3次元動作解析装置(Oxford社製 Vicon512)を使用し、身体に30個の反射マーカーを貼付後、階段昇段・降段動作、歩行動作を行わせた。サンプリング周波数は、カメラ60Hzとした。測定項目として、1)膝関節屈曲-伸展角度、外旋-内旋角度の経時的変化、2)立脚相各期(両脚支持期前半・後半、単脚支持期)の回旋変化量を測定した。<BR>【結果】<BR> 階段昇段動作の膝関節角度の経時的変化は、屈曲-伸展角度は3群間で差がなかった。単脚支持期において、屈曲-伸展角度の経時的変化に伴って再建膝と健常膝は内旋運動が生じていた。健側膝の回旋運動は、外旋運動もしくは内旋運動を示す2つに分かれていた。両脚支持期前半・後半では、3群とも同様の回旋運動を示していた。<BR> 階段降段動作の膝関節角度の経時的変化は、屈曲-伸展角度、外旋-内旋角度とも3群間にて同様の運動方向を示していた。また、回旋変化量も3群間にて有意な差は認められなかった。<BR> 歩行動作の膝関節角度の経時的変化は、屈曲-伸展角度、外旋-内旋角度とも3群間にて同様の運動方向を示していた。また、回旋変化量も3群間にて有意な差は認められなかった。<BR>【考察】<BR> 3つの異なる動作の膝関節回旋運動を測定した結果、screw home movementと一致しない回旋運動が認められた。また、回旋運動方向は、階段昇段時の単脚支持期における健側膝は外旋運動を示すパターンと内旋運動を示す2つに分かれ、階段昇段両脚支持期、階段降段、歩行時には同様の運動方向を示していた。階段昇段・降段動作時の回旋角度変化量は3群間にて有意な差はなく、歩行動作時も差は認められなかった。以上の事から、BTB再建後の膝関節は、階段昇段・降段動作、歩行動作では健常膝に近い膝関節回旋運動が生じている事が明らかになった。<BR>
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2007 (0), C0523-C0523, 2008
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680544472064
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- NII Article ID
- 110006800080
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- NII Book ID
- AN10146032
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
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