呼気ガス分析装置を使用した,健常成人女性におけるスクワット動作の運動強度測定

  • 岡山 博信
    社団法人地域医療振興協会横須賀市立うわまち病院リハビリテーション科
  • 岡本 賢太郎
    社団法人地域医療振興協会横須賀市立うわまち病院リハビリテーション科
  • 井上 宜充
    社団法人地域医療振興協会横須賀市立うわまち病院リハビリテーション科

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【目的】下肢筋力訓練の運動としてスクワットトレーニングが推奨されている。しかし、心疾患をもった患者等への応用では、スクワット動作(以下SW)の負荷量を知り、目安を作る必要がある。我々は、第42回全国理学療法学会で、健常男性に対しての負荷量を検討し報告した。<BR>今回は、女性に対し、SWの高さやテンポの違いによる運動強度を測定し検討したので、以下に報告する。<BR>【方法】対象は、研究の趣旨を説明し同意の得られた既往歴のない健常成人女性10名(平均年齢23±3歳、身長159±5.4cm、体重51.2±4.3kg)とした。スクワットの方法は2種類のテンポ(15回/分と30回/分)と2種類のしゃがむ深さ(大腿長1/2と膝関節裂隙)を組み合わせそれぞれ3分間実施した。測定項目は運動前後の心拍数(以下HR)、収縮期血圧(以下SBP)、最大酸素摂取量を測定しMETs値、二重積(以下DP)を算出した。最大酸素摂取量の測定には呼気ガス分析装置(ミナトAE300S)を用いた。統計学的検定は、t検定を用い有意水準5%未満とした。<BR>【結果】大腿長1/2・テンポ15(回/分):2.2±0.5METs HR81±10bpm SBP115±11mmHg DP10554±2095、大腿長1/2・テンポ30(回/分):3.2±0.4METs HR96±12bpm SBP116±9mmHg DP 11348±1075、膝関節裂隙・テンポ15(回/分):4.2±0.5METs HR113±12bpm SBP126±10mmHg DP 14309±2542、膝関節裂隙・テンポ30(回/分):5.8±0.8METs HR129±16 SBP141±14mmHg DP 18240±3684であった。(HR、SBP、DPは運動直後とする。)METs値、DP各動作間に有意差を認めた。<BR>【考察】結果より、浅くゆっくりとした動作はMETs値が低く、深く速い動作はMETs値が高かった。これらは男性のMETs値とほぼ同等の結果が得られ運動強度に差が見られた。大腿長1/2・テンポ15(回/分)のSWはややゆっくりとした歩行(3km/h)、大腿長1/2・テンポ30(回/分)のSWは普通の歩行(4km/h)、膝関節裂隙・テンポ15(回/分)のSWはやや速めの歩行(5km/h)、膝関節裂隙・テンポ30(回/分)のSWは速めの歩行(6km/h)と同等の運動強度に値する事が示唆され、運動指導を行う際、METs値に対応したSWの方法を選択する一助になると考えた。<BR>また、今回の測定は若年健常者を対象としたが、年齢の違いからMETs値に違いが出てくると推測される。実際に運動指導を行なう際は、低負荷から始めていき安全を考慮していく必要があると考える。<BR>

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