リハビリテーション総合実施計画書作成・説明についてのシステムづくり
説明
【はじめに】<BR>当院ではリハビリテーション対象者(以下リハ対象者)すべてに対しインフォームドコンセントの充実を目的にリハビリテーション総合実施計画書(以下リハ総合計画書)をリハビリテーションスタッフ全員で作成し説明を行なっている。今回、作成に対する効率化と充実した説明を図る為によりよいシステム構築について検討したので紹介をする。<BR>【従来の方法と問題】<BR>リハ総合計画書作成にあたってはMicrosoft Excelに厚生労働省の定められた様式で作成し入力を行い印刷し説明を実施している。リハビリテーション総合計画評価料(以下リハ総合計画料)は入院月から起算し1、2、3、6ヶ月目に算定できるが確認できるシステムがないことで算定ミスが時々あった。説明の際に内容がA4用紙2枚にわたるため、リハ対象者・家族が細かい内容で分かりづらい、見た目で分かるようにしてほしいとの要望があった。また、作成に時間を要することやスタッフの経験年数で説明内容にバラツキが生じることも考えられた。<BR>【問題に対する対策】<BR>1、作成に時間を要する。説明内容にバラツキが生じる。<BR>各疾患に対する雛形を作成し電子カルテ内の文書管理に保存し使用できるようにした。それにより記載時間の短縮、説明内容の充実を図った。脳卒中・運動器(股関節・膝関節)・胸腰椎圧迫骨折・廃用症候群・糖尿病・顔面神経麻痺の雛形を作成した。<BR>2、リハ総合計画料の該当月を確認できるシステムがない。<BR>Microsoft Accessを使用しオーダリングシステムからの情報を利用し該当月を各担当者が確認できるようにした。<BR>3、説明の際に細かい内容で分かりづらい、見た目で分かるようにしてほしい。<BR>リハ総合計画書に加え新たに仕事量を増すことなく、字も大きく見やすい要約版を作成した。日常生活動作面についてはレーダーチャートを作成し見た目で大まかな状態が把握できるようにした。<BR>【アンケート調査】<BR>・当院理学療法士(以下PT)10名に対し対策前後で(1)リハ総合計画料該当者を把握しているか、(2)説明しやすいか、(3)作成時間は長いと感じるかをはい、いいえで調査を行った。回収率100%。<BR>結果:(1)は把握している6名→10名、(2)は説明しやすい2名→7名、(3)は長いと感じる6名→4名で1件平均40分→30分となった。<BR>・リハ対象者13名に対し対策前後で(1)説明内容は理解できたか、(2)リハ総合計画書の内容は分かりやすいかをはい、いいえで調査を行った。回収率100%。<BR>結果:(1)は理解できた12名→12名、(2)は分かりやすい2名→12名となった。<BR>【まとめ】<BR>・リハ総合計画書の作成システム構築について検討した。<BR>・各問題を抽出し対策を講じた。<BR>・PT、リハ対象者に対して良好な満足が得られた。<BR>・今後、さらなる説明の充実と効率的な作成の為のシステムを検討していく。
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2007 (0), G1723-G1723, 2008
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680544628608
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- NII論文ID
- 130005016359
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可