高校女子バレーボール部員の足関節捻挫とリハビリテーション実施状況の実態

  • 石川 大瑛
    弘前大学医学部保健学科理学療法学専攻
  • 成田 大一
    弘前大学医学部保健学科理学療法学専攻 弘前大学大学院保健学研究科健康支援科学領域
  • 尾田 敦
    弘前大学医学部保健学科理学療法学専攻 弘前大学大学院保健学研究科健康支援科学領域
  • 水野 修平
    弘前大学医学部保健学科理学療法学専攻
  • 橋本 奈苗
    弘前大学医学部保健学科理学療法学専攻
  • 溝畑 日出昌
    弘前大学医学部保健学科理学療法学専攻 財団法人秀芳園弘前中央病院

書誌事項

公開日
2009
DOI
  • 10.14900/cjpt.2008.0.c3p2380.0
公開者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)

説明

【はじめに】足関節捻挫は,バレーボールで発生頻度の高い外傷の一つである.しかし,足関節捻挫は軽視される傾向にあり,十分な治療やリハビリテーション(リハビリ)を行わないで競技復帰することが多いとされ,その実態についても十分に調査されていない.そこで本研究では,高校女子バレーボール部員を対象として,足関節捻挫の発生状況と受傷後のリハビリの実施状況の実態を把握するとともに,運動時の足関節の愁訴との関連を検討することを目的としてアンケート調査を実施した.<BR>【対象と方法】市内およびその近郊の高校(8校)に協力を頂き,研究の内容を説明し,同意を得た女子バレーボール部員83名(1年生38名,2年生37名,3年生8名)を対象としてアンケート調査を実施した.調査項目は,捻挫の既往,受傷機転,医療機関受診状況,リハビリの実施状況,運動時の愁訴,サポーターやテーピングの使用状況についてである.<BR>【結果】対象者83名のうち,これまでに足関節捻挫を経験したことがある者は65名で全体の約8割をしめた.そのうち,最近1年以内に部活中に受傷または再受傷した者は38名で全体の46%であった.捻挫の受傷機転としては,スパイクやブロック時に相手選手の足を踏んだ(32%),スパイクの着地時(24%),レシーブの際の方向転換や横移動時(18%)が多かった.この中で受傷直後に74%の者がアイシングや湿布などといった処置を行っているが,医療機関を受診した者は11名(29%),整骨院を受診した者は10名(26%)であった.さらにリハビリも行った者は2名で1年以内の経験者のうちの5%であった.また現在でも運動中に痛みや足部の不安定感を訴えているのは13人(34%)であった.予防としてサポーターを使用している者は19名で1校(8名)が使用を義務付けていた.<BR>【考察】対象者の約半数が1年以内に捻挫を経験しており,バレーボールは非常に足関節捻挫の発生の高い競技といえる.経験的にはネット上のプレーやスパイク着地時の発生が多いといわれているが,それだけではなく方向転換や横移動時にも多く発生しており,これらの動作時にも注意を促す必要があると考える.受傷直後のような急性期には応急処置を行っていることが多く,比較的関心が持たれていることが示唆されたが,予防という視点では各校注意は促しているものの具体的な処置を講じているところは少ない.また受傷後に医療機関を受診している者も少なく,現在でも足部の痛みや不安定感があるにもかかわらずプレーを行っている者もおり,二次的障害に関する意識は低いと考える.これは,医療機関や整骨院を受診してもリハビリがわずかにしか実施されていないことからも,プレイヤーやコーチのみではなく,治療側にも当てはまると考える.二次的障害予防のためにも足関節捻挫に対するリハビリの重要性をより詳細に検討していく必要があると考える.

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2008 (0), C3P2380-C3P2380, 2009

    日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680544928128
  • NII論文ID
    130004580779
  • DOI
    10.14900/cjpt.2008.0.c3p2380.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ