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理学療法士のあるべき姿を達成するために必要な因子、卒後教育方法についての検討
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- 西潟 美砂
- 福井循環器病院リハビリテーション科
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Description
【はじめに、目的】今後も社会から必要とされる理学療法士であり続けるためには、質の高い理学療法を提供できる理学療法士の育成、教育の在り方を検証する必要があると思われる。本研究の目的は、理学療法士があるべき姿の達成に向けて、必要と感じている因子を分析し、達成に必要と感じている因子を修得するための卒後教育方法について検討することである。【方法】日本理学療法士協会会員で、日本理学療法士協会会員名簿(平成21年度)から乱数法を用いて無作為抽出した263名を対象とした。調査は、対象者の属性、理学療法士のあるべき姿について、あるべき姿を達成するための必要因子(以下、必要因子)、現状でのあるべき姿の達成度(以下、達成度)、必要因子を修得するための方法について(以下、修得方法)(複数回答可)、質問紙を作成し、無記名による回答で郵送式にて実施した。項目は、患者に関わる視点、職場で働く視点、他職種チームの中での視点、社会の中での視点の4領域に分けて、回答を求めた。達成度は、「達成出来ていない」「あまり達成出来ていない」「どちらでもない」「やや達成出来ている」「達成出来ている」の5段階とした。解析方法は、理学療法士のあるべき姿、必要因子の回答からキーワードとなる文章又は単語を抽出し、類似したキーワードに分け、単純集計を行った。なお、欠損値のあるデータも除外せずに採用した。【倫理的配慮、説明と同意】研究への同意は、回答・郵送により同意を得たとした。【結果】回答は、67件であり、回収率は25.4%であった。患者に関わる視点のあるべき姿は、「理学療法士として必要な知識・技術をもっている」28項目(25.9%)、「患者様、家族の側に立ち、患者様の求めているニーズを考えることが出来る」19項目(17.6%)、「患者様から信頼が得られる」17項目(15.7%)の順に多かった。必要因子は、「コミュニケーション能力」21項目(15.6%)、「知識」20項目(14.8%)、「一般能力」18項目(13.3%)であった。職場で働く視点のあるべき姿は、「他職種との情報交換、連携が出来る」28項目(30.1%)、「職場、チーム内での役割を理解して働く」16項目(17.2%)、「社会人として適した態度をとれる」13項目(14.0%)の順に多かった。必要因子は、「一般能力」19項目(17.8%)、「知識、技術」17項目(15.9%)、「社会人としての態度、知識」11項目(10.3%)であった。他職種チームの中での視点のあるべき姿は、「専門性を生かした他職種との情報交換が出来る」33項目(33.7%)、「理学療法士の専門性を持ってチームで仕事が出来る」21項目(21.4%)、「他職種とチームワークを取りながら仕事が出来る」21項目(21.4%)の順に多かった。必要因子は、「コミュニケーション能力、人間関係」25項目(22.7%)、「一般能力」17項目(15.5%)、「知識の修得」16項目(14.5%)であった。社会の中での視点のあるべき姿は、「地域へ出向き地域住民に貢献することが出来る」16項目(21.6%)、「社会の中での理学療法士の役割の確立」16項目(21.6%)、「理学療法士の仕事が社会に認知されるよう働きかける」14項目(18.9%)の順に多かった。必要因子は、「知識、技術」15項目(14.7%)、「一般能力」14項目(13.7%)、「卒前卒後教育」10項目(9.8%)であった。達成度は、全ての視点において、「やや達成出来ている」の回答が多く、患者の視点39名(58.2%)、職場で働く視点28名(41.8%)、他職種チームの中での視点35名(52.2%)、社会の中での視点17名(25.4%)であった。修得方法については、全ての視点において、院外での研修参加、勉強会、On the Job Training(以下OJT)が挙げられた。【考察】患者に関わる視点では、まず知識、技術があり、それらを患者に提供出来ること、職場、他職種チームの中での視点では、職場、チーム内での自分の役割、他職種の役割を理解し、専門性を持って仕事が出来ることがあるべき姿として挙げられた。これらを達成するためには、患者のニーズや訴え、他職種、同僚の考えを傾聴し、自分の意見を分かり易く伝えることが求められるため、コミュニケーション能力が必要であると思われた。必要因子に挙げられた知識、技術とコミュニケーション能力は、座学での勉強、経験から修得出来るものである。修得方法については、研修、勉強会に参加し、実際の診療場面でOJTにて指導を受ける体制が必要であることが示唆された。今後は、今回の結果で得られたあるべき姿の必要因子を調査し、どのように関連しているか検討する必要がある。【理学療法学研究としての意義】理学療法士がどのようにあるべき姿を考えているのか、また、必要因子、修得方法が分かることにより、今後の卒後教育の到達目標、方法を検討するうえでの一助になると思われる。
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2012 (0), 48100745-48100745, 2013
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680548835072
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- NII Article ID
- 130004585180
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed