神奈川県大和市における,地域包括ケアシステムへの取り組み

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  • 地域ケア会議に参加したことで得た経験

抄録

【目的】地域包括ケアシステムを構築するために,各々の自治体で地域ケア会議への取り組みが加速されている。しかし実際に参加経験のある理学療法士は少なく,報告も乏しいのが現状である。そこで当院が大和市で開催された地域ケア会議に参加し得られた経験について報告する。【方法】当市では地域包括支援センターを9ヵ所設置し,地域ケア会議を個人の生活する圏域(小学校区),包括の担当圏域(中学校区),市全体の圏域の3層に分けている。そのなかで当院は,包括の担当圏域の地域ケア会議に3回参加した。1,2回目はH25.6,26.6のケアマネサロンplusである。これはケアマネジャー業務を取り巻く関係機関との意見交換の機会として設けられている。3回目は26.8に認知症が徐々に進行した独居のA氏が,在宅から施設に生活の拠点を移すまでの経過を振り返り,時期ごとに関わった事業所の悩みを共有し,今後の支援に繋げるためのものであった。【結果と考察】ケアマネサロンplusにおいては,当院の訪問リハビリで関わった症例を各回5例程度挙げ,リハ専門職としてどのように在宅生活に関わり,介入後の日常生活がどのように変化したかを紹介した。またA氏の会議では院内での状況と,入院前の写真から読み取れた転倒リスク,グループホーム生活での注意点等を発言した。各々の会議で他職種からは,医療職から情報を得るのは敷居が高く困難,訪問リハビリは何ができるのかという意見が多かった。当院の参加者からは,リハ専門職についてあまり認知されていない,地域を支えていく知識や連携の取れる機関が少ないという意見もあった。これらの経験により,地域で多職種が参加する勉強会や市の事業にも積極的に参加し,地域包括ケアシステムの基盤であるネットワーク作りに取り組んでいる。我々が院外に飛び出し,理学療法士のできることを多職種にアピールする意義は,地域住民を支えるうえで大きいものと感じている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680551569280
  • NII論文ID
    130005416644
  • DOI
    10.14900/cjpt.2014.1679
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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