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温泉による溺水症例で人工呼吸器離脱に難渋した一症例
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- 大橋 朗
- 愛知厚生連 知多厚生病院
Description
【目的】今回,温泉で溺水した症例に介入し,人工呼吸器離脱に難渋した事例を経験した。そこで,当院における過去の同様な溺水症例の経過を踏まえ,難渋した要因について考察したので報告する。【症例提示】症例は80歳代の男性。観光目的で当地域の旅館に宿泊し,温泉(pH7.67)入浴中に浴槽内でうつ伏せになっているところを発見され救急要請。通報から約15分後,救急隊が到着。接触時のバイタルは,JCS300,頸動脈触知可能,呼吸可能,心拍数90bpm,SpO265%であり,リザーバーマスク10L/分の酸素投与を行い当院へ搬送。血液ガス分析の結果,pH7.328,PaO257.8mmHg,PaCO237.6mmHgであり,意識レベルも改善しないため人工呼吸器管理となり第9病日より理学療法が介入となった。【経過と考察】介入時より体位呼吸療法を施行し酸素化の改善に努めたが反応は乏しく,第31病日に気管切開を施行。その後も腹臥位等での呼吸管理を継続し,第54病日に人工呼吸器離脱,人工鼻管理となった。徐々に活動レベルが向上し,第72病日で離床獲得,第93病日に療養目的で転棟となる。溺水による呼吸不全は,その他の原因による呼吸不全より速やかに酸素化が改善する傾向にあると言われている。過去における同様の溺水症例の経過については,90代男性では,温泉で溺水し第10病日に抜管,翌日には離床も可能。60代男性についても温泉にて溺水,第6病日で抜管し第22病日には退院。70代男性は,海水による溺水で入院となり第10病日で抜管,第36病日で退院となった。本症例の酸素化の改善が乏しく抜管に難渋した要因として,誤嚥したpH値が考えられるが,他の温泉による溺水症例に関しては必ずしも重症化しておらず,この因子だけでは不明確である。重症化する他の因子として,溺水時間や救命処置の開始時間,動脈血pHなども報告されており,理学療法の視点も含めて考察を述べる。
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2014 (0), 1252-, 2015
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680553761920
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- NII Article ID
- 130005248942
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed