ストレッチポール上背臥位における運動の有無が呼吸機能に及ぼす効果

DOI

抄録

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>近年,ストレッチポール(SP)上背臥位に関する先行研究において胸郭可動性や肺活量を改善させる効果が報告されている。このようにSP上背臥位による呼吸機能の改善が期待されているが,SP上背臥位での運動の有無や評価項目に違いがあるため,統一した見解には至っていない。そこで,本研究ではSP上背臥位における2週間の運動の有無が呼吸機能へ及ぼす効果について検証することを目的とした。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>対象は健常若年者45名(男性22名,平均年齢21歳,BMI21.4kg/m2)とした。除外基準は既往歴に呼吸器疾患を有する者とした。対象者はSP上背臥位で運動を行う群(運動有群)15名,SP上背臥位にて運動を行わない群(運動無群)15名,対照群15名に無作為に分けた。運動有群はSP上にてコア・コンディショニング協会が推奨するベーシックセブンを実施した。ベーシックセブンとはSP上背臥位にて上下肢を動かす予備運動3つ,主運動7つから構成される。運動無群はSP上にて背臥位保持のみを実施した。それぞれ,1日に10分間のコンディショニングを1週間に5回実施し,非監視下にて2週間継続した。測定項目は努力性肺活量(FVC),胸腹部可動性とした。FVCの測定はスパイロメータを使用し,ガイドラインに準じて3回測定し最大値を用いた。胸腹部可動性は呼吸運動測定器を用いて,上部胸郭,下部胸郭,腹部における深呼吸時の呼吸運動の移動距離(mm)を2回測定し,最大値を用いた。測定は介入前,介入後の計2回行った。各測定項目における2要因(群,時期)の比較に分割プロットデザインによる分散分析を用いた。身体計測値,変化量(介入後-介入前)における3群間の比較に一元配置分散分析を用いた。各群の介入前後の比較に対応のあるt検定を用いた。また,測定値の再現性を検証するために級内相関係数ICC(1,1)を求めた。有意水準は5%とし,それ未満を有意とした。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>FVCおよび上部胸郭,下部胸郭,腹部の移動距離におけるICC(1,1)はそれぞれ0.95,0.78,0.63,0.81であった。身体計測値は3群間で有意差を認めなかった。分散分析の結果,FVCに交互作用を認め,要因別の比較では介入前に比べ介入後に運動無群のみが有意に増大した。また,すべての胸腹部可動性に交互作用を認めず,下部胸郭と腹部移動距離の時期に主効果が認められ,介入後に移動距離が増加する傾向を示した。さらに,介入前後の比較では,運動有群の腹部移動距離が,介入前に比べ介入後の方が有意に増大した。3群間の変化量に有意差を認めなかった。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>健常若年者における2週間のSP上背臥位での運動の有無による明らかな差はなかった。しかし,介入前後での効果は異なり,FVCの増大にはSP上での背臥位保持,腹部移動距離の増大にはSP上背臥位での運動が有効である可能性が示唆された。今後は異なる介入時間,頻度,期間による呼吸機能への効果についてもさらに検討する必要があると考える。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680553994624
  • NII論文ID
    130005608708
  • DOI
    10.14900/cjpt.2016.0673
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ