ロボットスーツHALの使用で寝たきり予防と高次脳機能障害の改善が見られた1例

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抄録

<p>【はじめに】</p><p></p><p>回復期リハビリテーション(以下,回リハ)終了時,すでに全介助レベルの方は,その後,長期的な寝たきり期間を強いられる。今回,回リハ後,左頭頂葉皮下出血による麻痺と高次脳機能障害を伴うADLが全介助の症例のHALリハによる寝たきり予防を試みたのでここに報告する。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>症例提示:70代歳女性,平成26年1月6日左頭頂葉脳皮質下出血,右片麻痺,失見当識,左半側視空間失認などの症状あり,平成26年2月5日に回リハ目的でBセンターに転院。4か月の回リハを実施後,平成26年6月16日に当院に転院する。経過:入院時評価:ブルンスロームステージ右上肢VI,右下肢V,左上肢IV,左下肢IVと良好であるがBarthel Index(BI)0点,立ち直り反射は体性,頸筋性,視覚性のいずれも(-),保護伸展反射(-),自力座位不可,起立は全介助,起立は数秒間で膝折れが生じた。ベッド上及びマット上の寝返不可,HDS-R6点,MMSE 9点であった。リハ介入:6月16日より理学療法開始,車いす座位,マット上バランス練習,車いす座位保持練習,食事動作練習,夜間両膝関節痛(+),腰痛(+)。7月11日~8月4日までHALによる計10回のハーネスサスペンション付歩行器All-In-Oneで歩行練習を実施する。退院時評価:口頭指示に従い動作が行えるようになる。指示通り左への寝返りが可能になる。立ち直り反射は体性と頸筋が出現,端坐位と長坐位が両手支持で1分以上可能になる。指示通りにものを動かす動作が定着する。BIは5点,移乗時の立位の安定より改善を見た。HDS-R 18点 MMSE 16点になり記銘力の改善を認めた。HAL終了後,姿勢保持の安定傾向を強化するため,両下肢に短下肢装具を装着させて平行棒内での起立練習,立位保持練習が行え30秒間の保持が可能になった。サイバニックス理論により賦活化領域への刺激が反復され改善されたことが期待できる。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>退院時評価:口頭指示に従い動作が行えるようになる。指示通り左への寝返りが可能になる。立ち直り反射は体性と頸筋が出現,端坐位と長坐位が両手支持で1分以上可能になる。指示通りにものを動かす動作が定着する。BIは5点,移乗時の立位の安定より改善を見た。HDS-R 18点 MMSE 16点になり記銘力の改善を認めた。HAL終了後,姿勢保持の安定傾向を強化するため,両下肢に短下肢装具を装着させて平行棒内での起立練習,立位保持練習が行え30秒間の保持が可能になった。サイバニックス理論により賦活化領域への刺激が反復され改善されたことが期待できる。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>ADLが全介助の症例の寝たきり予防にHALリハによるサイバニックス理論により賦活化領域への刺激が反復され改善されたことが期待できる。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680554512768
  • NII論文ID
    130005608940
  • DOI
    10.14900/cjpt.2016.0863
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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